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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■楽しんでなきゃデマなんて流れるわきゃないのだ。/『物情騒然。人生は五十一からC』(小林信彦)
昨夜は11時を過ぎても周囲はピクとも揺れず、ほら見ろやっぱり地震が来るなんてデマじゃねえかと意気揚々としていたのだが、朝方出勤して、同僚から「今日、午後二時に震度七の地震が来るそうですよ」と言われてまた脱力した。外れた予言の定番、「予言の延長」である。しかも天気の挨拶をするみたいに会う人会う人「地震」「地震」「地震」で、全くなんでみんなこんなに地震が好きかとタメイキしか出て来ない。もちろん、二時を過ぎたって何の揺れも起こらなかったのだが、そしたらまた「今晩11時という説もあるそうですよ」と言い出すやつが。そりゃ、いつか地震は来るってば。こないだの余震のときも事前に騒いだやつはいないんだから、予言なんてものはみんな迷信なのである。
ウワサについては新聞でも取り上げられていて、福岡管区気象台には、連日約百件の問い合わせが続いていて、ホテルに“避難”する住民もいるそうな。避難って、ホテルに行くくらいのことで避難になるのか? どうせ避難するなら福岡自体離れたらどうなんかねえ。こういう人たちはとても本当に神経過敏になってるとは思えず、地震を口実にホテル住まいをちょっとやってみたかっただけなんじゃないかと勘繰りたくなる。
気象台は当然「デマに惑わされず冷静に対応を」と呼び掛けているということだが、こういうウワサが留まらないあたり(私ゃ、職場で話題にする気にもならなかったけどよ)、世間から「常識」が失われているってことなんであろう。
噂の内容として新聞に紹介されていたのはつぎのようなもの。
「二十七日午前二時ごろに震度7の大地震がくる」
日にち、時間をここまで設定できる科学的予知は未だに開発されていない。しかも震度は震源の中心がどこにあるか、また地形などにによっても変わるので、「震度7の地震が来る」という表現は成り立たない。強いて言うならマグネチュードのほうだろう。ウワサを広めてるやつに小学生程度の科学的知識もないことがこれで明らかである。
「自衛隊が地震に備えて緊急態勢を敷いた」
春日基地じゃ特に目立った準備はしてなかったみたいだが? つか、予測できる事態に対して敷くのが「緊急態勢」なので、この伝で行くなら自衛隊は「市民に何も知らせないで緊急態勢を敷きながら、その情報は世間にダダ漏れだった」ってことになるのだが、そんな間抜けな自衛隊が何の役に立つか。
「大学の先生が講義で地震を予知した」
「予知ができる講義」ってどんな講義じゃ。一生懸命それらしい根拠を作ろうとしてやっきになっている様子が見えて、哀れですらある。
入院患者から「同室の患者が『大地震が来る』と言って、実家に帰る手続きをしている。本当なのか」との電話もあったということだが、こんなのは別の病院に変わったほうがよかないか。
演劇関係の仕事をしていると、ちょくちょく芝居やコンサート、イベントなどの安売りチケットを入手するチャンスにも恵まれるのであるが、春先にはその案内がまとめてうちに届く。だいたい十公演から二十公演くらいまとめて来るので、見たい芝居が二本や三本は確実にあるのが嬉しい。
こないだ一緒に芝居を見に行ったときに、細川嬢とお友達から、今度芝居の安売り案内が来たら紹介してほしいと頼まれていたので、仕事帰りに、鴉丸嬢、細川嬢のバイト先を訪ねて資料を手渡す。細川嬢には、一応喜んでいただけたようではあるが、果たしてお気に召す舞台があったかどうかは分からない。
割引と言っても舞台は元値が五千円とか一万円とかバカ高いから、二、三割安くなっても四千円とか八千円とかするのである。場所が北九州だったりすると、交通費も二、三千円かかる。なかなかちょっと暇つぶしに映画でも、と気軽に行ける類のものではないのだが、二十公演くらいある中には、二千円程度の安い公演もある。せっかくの機会だから、友達誘って行ってみたいものがあればいいのだが。
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04月27日(水)
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