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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■安達祐実は30代を演じる夢を見るのか?/『原作完全版 魔法使いサリー』(横山光輝)
 兵庫県尼崎市のJR福知山線快速電車の脱線事故の続報。
 午後10時までに確認された死者はついに76人、負傷者も456人に上っているが、まだ十数人の乗客が1両目に閉じ込められており、生存反応はなく、さらに死者数は増える見込みだという。その中には事故の鍵を握る高見隆二郎運転士も含まれているが、救助員が声をかけても全く応答がないということである。
 今日になって判明した事実だが、この運転士、事故直前に手前の伊丹駅で停止位置を約「40メートル」オーバーランし、いったんバックして停車していたのを、車掌と口裏を合わせて「8メートル」と虚偽報告していた。ところがこれが妙な話なのだが、オーバーランの距離が10メートル前後でも40メートルでも、社内処分の重さは変わらないそうなのである。だとすれば、なぜ虚偽の報告を行う必要があったのか、そこにこの運転士の「精神的な弱さ」を感じないではいられない。運転士暦はまだほんの11ヶ月で、2000年4月の入社以来、五年間に計三回、訓告などの処分を受けていて、その中には車掌時代に「目がうつろだ」と乗客から指摘を受けた、なんてのまである。事故の原因が運転士にあるのかないのか、そこは未だに不明なのだが、いずれにせよ、そんなやつを運転士にしちゃったこと自体、ダメだろうによ。
 でもこれでまた一つ分かったことだけど、やはりJRも「常識」なんて通用しない世界なのである。つかよー、「常識」が残っている会社なんてさー、いったい日本のどこにあるというんだろうね。
 事故原因の「憶測」については、昨日にも増して情報が錯綜している。JR西日本が昨日は堂々と拡大写真で紹介していた「置き石」の痕跡らしい「粉砕痕」、今日の現場検証では、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会が「現場でブレーキ痕や石の粉砕痕を確認できなかった」と発表して、双方の意見は完全に食い違ってしまった。JR西日本は早速その「先走り」を反省して、正式な調査結果が出るまでは余計な情報公開はしないことを言わざるを得なくなった。
 どっちにしろ「置き石」だけでは脱線する可能性は低いとのことなので、JR西日本の態度は「先走り」とか「勇み足」というよりは、全くの「責任転嫁」を図ろうとしたものだと解釈されても仕方がなく、事故はますます「人災」の様相を色濃くしてきている。やりきれない。


 先ごろ黒田アーサーとの破局が伝えられた女優の安達祐実。
 いや、そっちのニュースはどうでもいいのだが、ここしばらくドラマや映画のいい役に恵まれてないなあと心配していたところが(私が心配したところでどうなるものではないという突っ込みは置いといて)、9月2、3日放送のフジテレビ系スペシャルドラマ『積木くずし 真相』に主演することになったとか。
 ニュースで初めて知ったのだが、昭和58年に放送された高部知子主演版の前作『積木くずし』は、ドラマ史上最高視聴率45.3%を記録していたんだそうな。まあ、やたら再放送やりまくるなあと思っちゃいたが、45%ぽっちが最高視聴率になるんかね? 昭和30年代には50%以上稼いでたドラマがもっとあったような気がするけど。
今回、タイトルに『真相』と加わっている通り、ドラマは「家族の再生」を謳ってハッピーエンドで終わった前作とは異なり、原作者の穂積隆信氏が昨年発表した『由香里の死 そして愛 積木くずし終章』をもとにして、『積木くずし』がベストセラーになってしまったために起きた悲劇、印税をめぐる夫婦のいさかいや離婚、娘の再びの非行など、主人公たちの“その後”を描くことになるとか。著書に書かれているとおり、ヒロインのモデルとなった長女の由香里さんは、一昨年、心不全のために亡くなっている。拒食症が高じた末の死だったそうだが、この人くらい「幸薄い人生」という言葉が思い浮かんでしまう人もそうはいない。芸能界活動を試みた時期もあったようだが、光が当たったことは殆どなかったように思う。ごく普通の幸せを掴むチャンスは何度となくあったと思われるのに、運命の歯車は最後まで狂いっぱなしだったということなのだろうか。

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04月26日(火)
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