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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■多分、世界はいやになるくらい狭い/『アガペ』2巻(鹿島潤・石黒正数)
人の縁(えにし)はどこでどう繋がっているか分からぬ、とは、これまでの人生でも多々実感したことであったが、新しい職場で気が合った同僚の女性(とりあえずAさんと呼んでおく)、なんとホモオタさんの大学の一年後輩であった。
「ホモオタちゃんは(と、Aさんは先輩である彼を「ちゃん」付けで呼ぶのである)、大学生のころは髪が長くてスマートだったんですよ。性格はあの通りの性格でしたが」
とのこと。現在のホモオタ氏は言っちゃ何だが外見は「ハゲた赤豚」である。性格の歪みが体型にも現れちゃったんじゃないかな。
当然、ホモオタさんの数々の「行状」についてもAさんは先刻ご承知で、私以外に「被害」にあった方々ともお知り合いだったのだが、私が「部屋に誘われたんで行ってみたらセーラー服姿のホモオタさんに襲われかけたんですよ」という話をしたら、さすがにホモオタさんがバイセクシャルだということまでは知らなかったらしく、目を丸くなされていた。
「私が知ってるホモオタさんの好きな人は女性でしたが。Sさんという方の奥さんで」
「Sさんの奥さんも知ってますよ。私の家内の知り合いでしたから。その方に相手にされなくて、私に乗り換えたんです」
「……好みの幅の広い人なんですねえ」
いや実際、そのSさんの奥さんというのは昔から評判の美人で、密かに懸想している男性は数知れず、その「後釜」が私だというのはちょっと気の毒だったのである(まあ当時は私も一応は20代でしたが)。
実を言うと、当時ホモオタさんは、私と家内が接近するのも様々な形で妨害しようとした形跡がある。直接的には私に家内の悪口を言いまくり、「あんな女にいつまでもかかずらわっていると、あなたが不幸になりますよ」とまで言ってのけていた。確かにしげは昔からろくでもないあほんだらではあったが、私への一途な思いは嘘偽りのないものであったから、それを無碍にないがしろにする気はなかった。
だから、たとえ一見「親切や忠告のつもりで」しげの批判をされても、それは私にとってはおためごかしかいわれのない中傷にしか聞こえないし、そういうモノイイに対しては私が猛烈に反発する人間であることくらい、私を見ていれば気がつきそうなものである。障碍が多いほど恋は燃え上がるという「ロミオとジュリエット効果」みたいなもんですかね。ところが、ホモオタさんにはそのあたりの初歩的な人間の機微すら一向に理解できなかったようなのだ。恐らくそのころにはもう妄想が果てしなくエスカレートしていて、自制できない状態にまで陥っていたのであろう。
ほかにも当時、ホモオタさんが、私と家内に関するとてもここには書けないような胸糞が悪くなるようなデマを流していたことも、後に誘導尋問で引っ掛けてホモオタさん自身から聞き出した。なんとしてでも私としげの間を裂きたかったのだろうが、結果は全く反対に作用したわけである。だからもともと実る関係ではないのだから、早々に諦めてくれりゃ自分が傷つかずにすんだだろうにねえ。
ホモオタさん、中傷ハガキの件でも分かるとおり、法に触れるギリギリの線を綱渡りする嫌がらせを実行できるあたり、決してただの馬鹿ではない。しかし、策略家ではあるがそれが実を結んでいないという点ではやはり間が抜けているのである。それはやはり、ホモオタさんが自我肥大を起こして自己を天才と錯覚してしまっているために、結局、人間の心理などは探れば探るほどフクザツカイキであって、いくら読もうとしたって読み切れるものではないという事実に未だに気づいていないからだろうと思う。
「こうすれば人はこう動く」「人は簡単に洗脳できる」「他人を洗脳できる自分は天才なのだ」「だから他人はみな自分にひれ伏さねばならない」
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04月25日(月)
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