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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■『のび太の恐竜2006』(仮題)?!/DVD『ダーク・クリスタル デラックス版』
 大阪府寝屋川市中央小学校の教師殺傷事件の続報。
 犯人の少年、取り調べに対して、動機は「いじめがなんたら」とか「誰でもよかった」とか「殺すつもりはなかった」とか適当なことを言ってるらしい。教師への恨みが目的であるなら、「誰でも」なんて無差別に狙う必要もないわけで、やっぱりアタマがイカレてるか、あるいはどうせ未成年だから死刑になることはないとタカをくくって「自分が悪いんじゃない」ってしおらしさを演出しようとしてるんじゃないかねえ。「凶器を捨てろ」と警官に声をかけられて、素直に捨てたってのも随分ものわかりがよすぎるのではないの。人を刺しても「死ぬとは思わなかった」って殺意を否認しておけば、減刑される可能性があることをちゃんと知ってたんだと思うぞ。
 昔、私も似たような事件に遭遇したことがある。通っていた学校で、「苛められた」と思いこんだ生徒が、「苛めた」生徒にナイフを振りまわしたのだ。幸い被害者の生徒はかすり傷ですんだので、警察沙汰、新聞沙汰にはならなかったが、駆けつけた先生たちが止めに入らなければ、大惨事になっていたところである。加害者の生徒は日頃から言動がたどたどしく、確かにからかわれやすいところはあったのだが、パシリにされるとか暴力を振るわれるなどの具体的ないじめはなかった。加害者の生徒は「やらなきゃいつか自分がやられると思った」と供述していたが、全くの被害妄想であった。警察に届けなかった代わりに、加害者の生徒は当然退学。「動機がどうだろうと、やったもんが悪い」と、「加害者の人権」なんぞ知るかとばかりに厳罰を処した点で、うちの学校、結構マトモだったと思う。情状酌量を考えてやらなきゃならん人間と、そうでない人間とは、明確に区別したいものである。
 フジテレビ『とくダネ!』で、犯人の17歳少年の作文を紹介する際、その氏名が判読可能な状態でウッカリ放送しちゃったとか。一応、名前の部分は黒く映像処理して見えなくしていたのだけれど、処理が不十分で文字が透けて見えたということだ。とんだ不手際ではあるが、凶悪事件が起きるたびに「未成年の実名報道」についての論議が喧しい折から、「ワザとやったんちゃうか、フジテレビ」というカングリがネット上では早速展開されている。
 一応、キャスターの小倉智昭キャスターが番組中に謝罪して、広報部長の遠藤龍之介氏(遠藤周作の息子さん)が「技術的なミスで、意図的なものではない」とコメントを出しているので、ワザとじゃないことは確かだろうが(ヘタすりゃ自分のクビが飛ぶのにワザとやるバカもおるまい)、これで実質、犯人の実名は殆ど流布してしまった。
 私自身も、未成年であろうと凶悪事件の犯罪者を擁護するような仮名報道は馬鹿馬鹿しいなと思っちゃいるのだが、ネットのドブネズミどもの陰気な愉しみに組したいとも思わないので、「犯人の17歳の少年」と表記するに留めておきたいと思う。たとえ実名や住所を知っても、その家とか関係者にイタズラ電話やら中傷メールとかしないだけの節度のある国民ばかりならいいんだれども、ここを先途とマス・ヒステリーに乗っかって「某巨大掲示板(^o^)」に実名書きまくるような猿どもと一緒にされたくはないからである。「未成年の犯罪」が起きて喜んでやがるからな、あいつら。
 ヒステリーをいかに沈静化させるか、これくらい難しいことはない。実名報道ができないのは、「実名報道しろ」とヒステリックに騒ぐやつらがいるからである。「被害者よりも加害者の人権の方が守られている」のは、「加害者の人権を優先して、被害者の人権がなぜないがしろにされにゃならんのか」と感情的に叫びたてる連中がいるからである。冷静に論議ができなければ、たとえそれが大方の意見であったり正論であったとしてもそれが規制されるなんて逆転現象も起きてしまう。

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02月15日(火)
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