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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■誰の名前を書きますか/映画『僕の彼女を紹介します』ほか
 CS日本映画専門チャンネルで自作他作を含めての三谷幸喜特集。
 朝からぶっ通しで見るが、それの感想を全部書いてる余裕はないので殆ど省略。見たことのある映画が多かったから、今更書くのもしんどいのである。
 東宝のクレージー・キャッツシリーズ、若大将シリーズ、駅前シリーズ、社長シリーズは、もう本数がありすぎて内容も全部似ているもので、いったいどれだけ見ているのか自分でももう分からないのだけれども、『社長漫遊記』は、多分中学生か高校生のときにテレビで見ている。宴会芸で三木のり平の天草四郎が加東大介のキリストに向かって「あんたキリストさん?」と声をかけたら「イエス!」と答えるというしょーもないギャグを覚えていたのだ。けれど若戸大橋の開通時に製作された作品だったことは忘れていた。「今度若松と戸畑が合併して北九州市になるんですよ。市庁舎は戸畑にできる予定です」とか三木のり平のセリフにあったけれど、「あれ? 小倉、八幡、門司は?」と首を捻ってしまった。もしかして五市合併する以前は、分割合併の予定でもあったのかと調べてみたら、確かに合併に関してはかなり紆余曲折があったようで、若戸大橋開通時にはまだ五市合併は成立していない。
〉1962年 若戸大橋が開通。(昭和37年9月26日)
〉1963年 門司市、小倉市、戸畑市、八幡市、若松市の5市が対等合併。
してみると、この映画、北九州の歴史の1ページを偶然記録していることにもなっていたわけだ。
 けど、若松で芸者にふられたモリシゲ社長が、シオシオになって博多のホテルに帰ってくるって、距離的時間的に見てムリがあるぞ。新幹線も通ってない昭和37年当時、若松・福岡間は快速に乗ったとしても乗り換えもあるし2時間はかかったはずだ。夜行に乗ったのだとしたら、もちっと早かったかもしれないけれど、それにしても遠い。なんでわざわざ博多にホテルを取るのか。それとも当時の若松にはホテルがなかったのか。……今度よしひとさんに聞いてみよう。まだ生まれてなかったろうけど。


 昼からしげを誘って、公開後一ヶ月を過ぎてヒット中ではあるけれども、そろそろ終映が間近の韓国映画『僕の彼女を紹介します』をキャナルシティまで見に行く。
 韓国映画をあまり見たことがないので(なぜかしげが毛嫌いするのである)、さて、どんなものだろうと思っていたら……。しげは見終わったあと「2時間が5時間のようだった」と怒り心頭に発していたが、実際、周囲でグスグス泣いてた観客がやたらいたのが信じられないくらいにみょうちくりんな映画なのであった。
 こないだテレビで見た『猟奇的な彼女』がまあまあ面白かったので、今回もちょっと期待したのだが、ともかく脚本が右往左往していて締まりがないというのが見ていてツライ。ヒロインが恋人と出会い、恋人の死に直面して苦しみ、新しい恋に生きるまでを描く、という流れを描くつもりなら、それだけでストレートに描けばいいんで、その中に「怪談ばなし」を長々と持ちこむもんじゃない。
 つまりどういうことかというと、恋人が死んで絶望のあまり、ヒロインは何度も自殺しようとするんだけれども、これがなぜか毎回毎回失敗するのである。薬を飲んでも医者に胃洗浄受けて助けられてしまうし、ビルから飛び降りようとしても、家出少年に絡まれて飛び降り損なう。ここなら誰もいないだろうと超高層ビルから飛び降りるのだが、突然ハトの群れが飛んで来て風船がいっぱい飛んで来て掌形のアドバルーンも飛んで来て、ヒロインを受けとめるのである。……こんなんギャグじゃないかと思って吹き出しそうになったんだけど、回りがみんな泣いてるのよ。こんなデタラメな展開でなぜ泣ける? わからーん!
 実はそれは死んで「風」になった恋人がヒロインを助けていたのだが、恋人は自分が風になった証拠に、昔、自分が雑誌のページを破って作った紙飛行機をヒロインの側で飛ばしてみせるのだ。不思議なことにヒロインが紙飛行機を開いて元の紙に戻しても、なぜかまたヒロインが危難に陥ると、どこからともなく折られた紙飛行機が再び飛んで来る。……風は折り紙も折れるんかい。

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01月29日(土)
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