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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■触んなきゃできない演技指導なんてない/『金魚屋古書店』1巻(吉崎せいむ)ほか
昨日に続いて、下痢、咳が止まらず、仕事休み。明日は何とか出勤しないとなあ。
そんなわけで、今日もテレビ見て本読んで寝て過ごす1日だったのだけれども、感想全部書いてたらキリないので簡単に。
昨日(つか今朝)WOWOWで再放送してた『伊東四朗一座 熱海迷宮事件』を録画して再見。前に録画してたのはアナログ放送分だったので、今回はデジタルで。何がどう変わってるのかは実はよく分かってないのだが。
ギャグはかなり古く、それは実はあえてそうしていることなのだけれども、今の若い人が見るのにはかなりつらい部分がないだろうか。いや、ギャグの古さと言うよりは、三宅裕司のセリフ回しのヘタクソさがギャグの古さを際立たせているのである。もうかなり前から私は三宅裕司はコメディやる以前に役者の勉強した方がいいんじゃないかと思ってるんだけれども、ホントにいつまで経っても芝居が上達しない人である。伊東四朗の使い方にしても、三谷幸喜の方がはるかに上手い。
デジタル放送に切り替えたおかげで見られるようになったテレ朝チャンネルで、『家政婦は見た2 エリート家庭の浮気の秘密 “みだれて…”』を放映。
第1作だった『熱い空気』は松本清張原作なので、実質上のシリーズ第1作はこの『2』の方になる。市原悦子の「石崎秋子」という役名もこの第2作から(第1作のときは「河野信子」)。でもそのフォーマットはちゃんと松本清張の原作に則っていて、家政婦が覗き見た事実のウラに更にもう一つの真実があったというミステリー的どんでん返し、また、最後に覗き見の罰として手痛いしっぺ返しを家政婦が受ける結末も第1作と共通していることなので、『2』以降の作品にもちゃんと原案者としての清張さんの名前をあげとかなきゃいけないんじゃないかと思う。
今じゃとてもやれないだろうが、働き先の中学生と石崎秋子が妖しい関係になりかけるというのは、そう言えば市原悦子って、昔は“そういう役”が多かったんだよなあと感慨深い。娘役で、初代「地球防衛少女イコちゃん」の磯崎亜紀子が出演しているのもポイント高し。って金沢碧や梶芽衣子のラブシーンよりそっちの方に目が行っちゃうってのは、昨今の世情を考えるとチトマズイか(^_^;)。
夜はWOWOWの蜷川幸雄特週で、『魔性の夏』と『嗤う伊右衛門』の2本。
舞台の蜷川さんの、その場の空気を凍らせるような演出も、映像だとそこまでは行かない。そこそこ出来がいいだけに、「この程度の作品で蜷川幸雄を評価してもらっちゃ困る」との思いがどうしてもしてしまうのである。総じて舞台演出家の映像作品は、舞台と比べると数段落ちるものになってしまっているが、蜷川さんはもっとすごいものを作れるはずだから、せめてもう1、2本は映画を作ってほしいと思ってるんだけれども。
マンガ、吉崎せいむ『金魚屋古書店』1巻。
第1巻だけれども、『金魚屋古書店出納帳』シリーズ2巻の続編。実在のマンガを題材にして、マンガへの熱い思いを語るこのシリーズ、好きは好きなんだけれども、「今の若い人はここに紹介してるマンガの殆どを知らないんだろうなあ」と思うと寂しくもなるのである。『ビリー・パック』などは私が生まれる前のマンガだが、それでも復刻や雑誌掲載などで一部を読んだことはあるし、我々の世代までの人間の多くが過去の作品だって渉猟することに何の苦労も感じてなかったんだが。
つかねえ、このマンガで紹介してるマンガって、「知る人ぞ知る」ようなマニアックなものじゃなくて、60年代〜80年代に生きてた一般人なら誰でも読んでたような超有名なマンガばかりで、オタク臭いのは殆どないんだから、今の人だって、少しは昔のマンガに目を向けてもらいたいと思うのだが。21世紀に入って、『Dr.スランプ』を読んだことがない若い人がゴマンといるって事実がもう悲しくて仕方がないのである。
特におススメなのは、『お江戸でござる』の杉浦日向子女史による『百日紅』。画狂老人葛飾北斎と、その娘お栄の日常を描いた、表面上は静かな、しかしその内面は愛憎渦巻いているトンデモない傑作。マンガ家志望の人なら、一度は読んでおくべきマンガである。
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01月06日(木)
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