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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ワガママも見て見ぬふり/フィリップ・ジャンティ・カンパニー『バニッシング・ポイント』。
『ハウルの動く城』が今日から公開。
前作『千と千尋の神隠し』の全国336スクリーンを上回る455スクリーンでの公開は、日本映画としては『踊る大捜査線2』を抜いて最大規模とか。「宮崎駿ブランド」を信頼しての公開なんだろうけれど、これでコケたらおおごとだろうなあ。
でも、ストーリーは破綻しまくり、キャラに命はなくて、殆ど消化不良な出来映えだった『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』にだって客は集まったんだから、もう「宮崎駿監督作」には出来のよしあしに関わらず、客が来るシステムになっちゃってるんだろう。
アニメーターとしてなら『太陽の王子ホルスの大冒険』あたりから、監督としてなら『ルパン三世(第1シリーズ)』から(もっとも放映当時は名前を隠していたが)リアルタイムで付き合ってきた古いファンとしては、宮崎さんが「みんなの宮崎さん」になったからと言って、それでファンをやめてしまうような狭量な態度は取りたくないので、もちろん初日に見に行くつもりで、前売券も買い、朝から行列に並ぶつもりで準備万端整えていたのである。
ところがやっぱりしげが全然起きて来ない(-_-;)。
「二日連続で映画を見にいくのはキツイ」としげが言うので、昨日は映画に行くのを諦めて、早めに寝たのである。なのに、8時間が過ぎ、充分睡眠時間は足りてるだろうに、「きつい。行きたくない。寝る」とワガママこきゃあがるのである。もちろん体調がどうとかなんて理由は全部嘘っぱちに決まっていて、客がたくさん込み合っているところになんぞ行きたくない、というのがホンネだろう。
このしげの「いきなり気が変わる」癖に私はこれまでに何百回も(誇張ではない)振り回されてきているのだが、医者にかかるようになって少しは収まってきたかなあ、と安心しかかっていたこの悪癖が、最近また目立ち始めている。病院でもあまり自分の起こしたトラブルについてきちんと説明はしてないようだし、本気で自分の病気を治す気あるのかと疑わしくもなるのだ。
『ハウル』自体は、早めに見に行きたいことは行きたいのだけれど、別に初日の一番である必要はない(だいたい早めに行きたがるのは、パンフレットを買い損なわないためである)。姑息なウソをついたり、ワガママを押し通そうとしたり、自分の都合で他人を振り回すことに何の痛痒も感じないその卑怯な根性が腹立たしいのだ。
しげの脳天に一発、拳骨を食らわせたくなるが、ここはぐっとガマンをする。ヘタに叱ってヒステリーを起こされたら、今晩予定している山口行き(芝居の鑑賞)まで「もう行かん」とか言い出して中止になりかねない。もう私は、しげの性格を何とかしてやりたいなんて愛情もとうの昔に尽きてしまっているし、そもそもしげにつき合う気力、体力、ともになくなってしまっている。バカ相手に不毛な会話で時間を潰すのはもうたくさんだ。
というわけで、私もフテ寝。一応、夜まで体力が温存できるから、それはそれでいいかな、と気を取りなおすこともできるのだけれど、そう言えばしげはきっと「なんだ。だったら行かなくて正解じゃん」と自分のズルを棚に上げて自己正当化するようなことを言うに決まっているからまた腹が立つのである。お医者さん、このしげの腐れた根性、治してください(+_;)。
結局しげが起きてきたのは3時。出かける寸前である。また14、5時間も寝腐った計算になるが、これで「忙しくてヒマがない」とか「疲れた」とか言ってるのを信用しろと言っても、まるで説得力がないのだ。
博多駅までバス、駅弁を買って新幹線に乗りこむ。
しげは駅弁好きのくせに、卵焼きや唐揚げなんか好きなものだけ食べて、漬け物、酢の物、サバの皮、エビ、煮豆などは食い残して、私に押しつけて来る。こういう好き嫌いを私が一番嫌うと知っていてわざとやるのだから、これはもう、私に怒れと言っているようなものだ。ふきのとうを残していたので、「野菜を残すな。食え」と言って箸でつまんで口元に押しつける。しげは「なんか付いてる」と嫌がったが、それはただの繊維。ウムを言わせず食わせる。
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11月20日(土)
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