ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491675hit]

■好きに焼けるから「お好み焼き」って言うんだよ。
 今日もなんとか定時の退出。先週からずっと残業あれこれこなしてきてたんで、少しは早めに帰れる日もあるのである。

 仕事関係で資料を探さにゃならなかったので、しげに頼んで博多駅の紀伊國屋に寄ってもらう。「駐車場代がかかるからなあ、ヨドバシに停めるんじゃダメ?」というので、先にヨドバシカメラで食事をすることに。
 しげ、さんざん迷った末にようやく決めたのが、お好み焼きの店。入った途端、出会いがしらに目が合ったウェイトレスさんが、偶然、知り合いの女の子だった。お互いに「わあ」と声を上げたのがハモッてしまったのがおかしかった。数年ぶりの再会で、もちろんそこでウェイトレスをしていたことなど知りもしなかったのだが、若い女性というものはこういう久しぶりの邂逅なんてシチュエーションでは、たいてい見た目がかなり変わっているものである(要するにケバくなっている)。ところがこの子は見事なくらいに変わっていない。化粧っ気のカケラもないと言うか少しも色っぽくなっていないと言うか(^_^;)。もっとも、お好み焼き屋で化粧が濃いのも問題だろうけれど。いや、実際、お好み焼き屋のバイトが似合う感じの女の子なのよ。
 どこのお好み焼き屋でもそうだが、席には目の前に鉄板があって、そこで頼んだお好み焼きを実際に焼いて食べる仕組みである。ウェイトレスさんが「店の者が全部焼きますから」と言うので、焼き上がるまでクイモノを目の前にしていながら「おあずけ」状態にさせられているのだが、これがせっかちなしげにはガマンしきれなかった模様。「ここにはもう二度と来ない!」とブンムクレだが、お好み焼き屋というものはどこでもこういうものなので、これはしげの言いがかりというものである。つかさー、店員さんが待ちきれないんだったら、どうして自分で焼こうとしなかったかね? 困ったやっちゃ。
 ヨドバシは、レシートで2時間分、駐車場代がタダになるので、確かにオトクなようなのだが、考えてみればそこで時間を潰した分、紀伊國屋に寄っていられる時間が短縮されてしまうことになるので、結局は損をしてしまっていたのだった。ぼんやりしていたので、まんまとしげに騙されてしまった格好である。
 そのまま出て行くのももったいないので、DVD−Rを買い込む。そのあとようやく紀伊國屋に回って資料集め。ついでに本を何冊か買って、予約しといたDVDも買う。


 帰宅して、買ってきたDVDなど次々と鑑賞。
 ついに手に入れたビリー・ワイルダーボックス、『シャーロック・ホームズの冒険 特別編』、てっきり「半分にカットされた」残りのフィルムが発見されたのだろうかと期待していたのだが、残念ながらそれはごく一部で、特典映像として一部が収録されていただけであった。フィルムのない部分はスチールとスクリプトを流してお茶を濁している(しかも英語だから読めねえよ)。これではとても「完全版」とは呼べないが、それでもこれが現存する最良の状態なのである。この映画を評価しようと思えば、やはりこの「失われた部分」を想定した上でなければ語りえないだろう。
 この映画でマイクロフト・ホームズ(ホームズの兄)を演じたクリストファー・リーのインタビューが収録されているのがファンにとっては大サービス。「ホームズ兄弟両方を演じた経験があるのは私だけだ」と嘯き、「この映画で自分は転機を得た。未だに私を一つの役でしか評価しない人間はこの映画を見ろ。そして映画界から去れ」とまで言い切っている。でも、確かにドラキュラ伯爵よりもこのマイクロフト・ホームズやスカラマンガ、最近ではドゥークー伯の方がずっとクリストファー・リーの演技力は発揮されているとは思うのである。まあ、日本でも渥美清を「寅さん」でしか知らないエセ映画ファンは腐るほどいるけど、でも所詮、一般の観客にとって、映画はその程度の軽さでしか見られていないし、他の芸術に比べると価値の数段低いものだとバカにされているのだ。ああ、映画の地位向上はいったいいつの日か。


[5]続きを読む

11月19日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る