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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■爆発120%!/『カミヤドリ』1巻
 書くだけでムカムカしてくるので、もう簡単に書くけれど、トンガリさんがまた難癖をつけてくる。昨日の会議で決まったこと、やっぱりよく分かってなくて、全然仕事に手を付けようとしてないばかりか、「昨日の会議の内容がよくわかんなかったから、まとめて書類にして出してくれ」と言うのである。出ても出なくても結局一緒かあんたは。
 「わかんないわかんないって、そりゃ仕事できないってことじゃないですか!」
 「あなたは私を無能呼ばわりするんですか! 大概にしてくださいよ!」
 「実際その通りじゃないですか! あなたがここにいたらそれだけで迷惑です!」
 「あなたも最近は元気だからそんなこと言うんでしょうけど去年までは病気で仕事もロクにできなかったじゃないですか!」
 ……ああ、この人、こないだまで私が入院してたことも知らないのである。もちろん自室に閉じこもって外に出てこないからそれも当然なのだが。
 なんかもう、どうしようもない応酬をしたあと私がどうしたかと言うと。
 ……資料作ってトンガリさんに渡したのである。だって仕事してもらうことが目的なんであって仕事やめさせようってわけじゃないんだから。
 ああ、でもハラワタが煮え繰り返ると言うか、血管ぶち切れると言うか、なんとも腹の虫が収まらない。いやホントにこのヒト自分からやめてくれた方がどれだけの人が胸をなでおろすことだろう。けれど心臓だけは毛が生えてる感じだもんなあやめろったってやめないよなあ。
 一連のやりとりを上司に報告したら、「藤原さんには悪いけど、笑っちゃうね。挨拶一つできない、礼儀も知らない、仕事もしてない人からしてないだろうって言われるのは。あの人の代わりに資料作ってあげてるのはどこの誰なんだろうね」と言って慰労されたのだが、心が慰められた気分には全然ならないのである。


 いやなことは二つも書きたくはないのだが、帰宅したら父から電話がかかってきた。
 いや、電話自体は私の病後を心配してかけてきたのだが、あとの話題がどうにも腹が立つ内容だったのである。
 父の幼馴染の友人で、私も子供のころからかわいがってもらっていたある方がいらっしゃるのだが、どうもしげのことを気に入らなく思っているらしい。どこでどういう話を仕入れてきたのか分からないのだが、しげの育ちが悪いだの何だのと父に告げて、「なんで別れさせないのか」とか談判したと言うのだ。
 思わず電話口で「はあ?」と言ってしまったが、父の親友と言っても私とは赤の他人である。何の義理があってそんな余計な口を叩くのかワケが分らない。しげとその人とは顔を合わせたことだってそう多くはない。まだしもしげの家事ほったらかしぶりをよく知ってる劇団の連中から言われるほうがリクツは通るというものだ。
 しかも我々夫婦を別れさせたい理由が「しげの育ちが悪いから」とはいったい何なのだ。ついそばにいたしげに「お前、育ちが悪かったのか?」と聞いてしまった(^_^;)。しげは笑って「よくはないぞ」と威張っていた(威張るなよ)。
 そもそも「育ちがいいか悪いか」なんてこと、客観的な線引きができるものでもない。「あんたは育ちがいいかね?」と聞かれて「いいよ」と答える人間は大馬鹿だろう。結局は「自分の方が格上である」という差別意識があるからこんな発言が平気で出るのである。時代錯誤も甚だしい。
 「でもどうしてわかったの?」としげは自分が蔑まれたことよりもそちらの方を不思議がっていたが、確かにそれが謎である。単に当てずっぽうでそんな中傷をしてるだけのような気もするが。
 当然父も怒ってその方とはかなりな口喧嘩になったそうなのだが、父はこれまでにもその方とは何度となくこの手の話題で口論を繰り返してきているのである。今後、その人の性格が改まることはまずあるまい。

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09月17日(金)
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