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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ドラキュラ×の味
 正直な話、しげとはもう10年以上も一緒にのたくっているわけだから(しげにとってはついに人生の半分以上、私と一緒にいるのである)、あいつの奇矯な行動にも随分慣れたつもりであった。いきなり踊り出したり(喜びの踊りらしい)、夜中に奇声を上げたり(寝惚けているのだ)、台所で「ひい」と悲鳴を上げたり(たいてい、皿を割ったり、包丁で指を切ったりしている)していても、「よくあること」で驚かないでいた。
 今日も、しげが「ちっち、ちっち」(しげ語でオシッコのことである)とぴょんぴょん跳びながらトイレに向かっても、今更「テメエの年考えろ」とか文句つけることもせず(とうの昔に諦めた)、ほっといたのである。
 ところが突然、トイレからドスの効いた声が響いた。
「なんじゃこりゃあ!」
 若い人には解説が必要だろうが、往年の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』中、松田優作扮するジーパン刑事が殉職するシーンで、腹から吹き出た血を見ながら叫んだセリフである。一時期、全国の高校、大学の学園祭、宴会等でこの松田優作のマネがはやって、やがて廃れた。でも未だになにか驚いたときにこのセリフを吐くイタイ人間は存在する。
 けれどそれを自分の女房が、しかもトイレで、隣近所にも聞こえるんじゃないかって声で叫んでるのを聞いた時のショックをご想像頂きたい。あなたの彼氏彼女がそんなことしたらどう思うか。……いや、ホントに何が起きたかと思いました。
 しげがワハワハと笑いながらトイレから出て来たので、「なんだいったい!」と聞いたら、しげ、ケロリとしてこう言った。
「いやー、びっくりした。もう出る出る」
「……おしっこが?」
「うんにゃ」
「う○こ?」
「うんにゃ」
「……じゃあ、何が出たの!」
「×」
……ンなことを大声で近所中に言うなあああ!
「だってすごいんだよ! 見て見て♪」
……ンなモン見せようとするなあああああ!(T∇T)
 伏字にしても何のことかは“オトナ”ならご推察頂けましょう。イヤね、驚いたってのはまだ理解できますけどね、悲鳴を上げたってんなら納得もしますがね、そこでなんで松田優作のマネをするですか。ワタシ、しげの考えてること、分らないアルよ(混乱しているのでエセ中国人化しています)。
 ちなみにこの文章、ちゃんとしげの許可取って書いてます。あなたも、もしもしげのそばにいたら、いつ何時、あんなものやこんなものをいきなり見せられることになるかもしれません。しげと付き合うにはご覚悟を(~_~;)。


 昨日放送されてた『ルパン三世 盗まれたルパン〜コピーキャットは真夏の蝶〜』、途中まで見てたんだけど、作画レベルがまたちょっとダウンした印象で興醒めしてしまった。テレビスペシャルなんだし、1年1本のイベントなんだから、もう少し、構図とか間とかに凝ってほしいと思うんだけど。でも、新創刊された『ルパン三世オフィシャルマガジン』によれば、今回のルパン、原作者のモンキー・パンチは気に入ってるそうだ。うーん(~_~;)。


 最近の日記、話題もあっちこっちに飛んでゴチャゴチャとしてたのだが、それで書き忘れていたこともいくつか。

 俳優の下条正巳さんの死去もそうで、25日にすい臓ガンのために亡くなられていたのだった。享年88。「『男はつらいよ』の『おいちゃん」死す」と、どの新聞にも掲載されていたが(「下条正巳」の名前より大きかった)、これがもう、二つの点で違和感ありまくりである。
 一つは、一作目から同シリーズを見ている人にとっては、森川信以外に「おいちゃん」はありえないという点だ。トラブルメーカーの寅さんを怒鳴りながらも、亡兄の忘れ形見を半端者にしてしまったという負い目を感じさせる演技は、森川信にしか出せない。その意味では二代目おいちゃんの松村達雄とともに、ワリを食った人ではあった。

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07月31日(土)
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