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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■追加日記2/『二十面相の娘』1巻(小原愼司)ほか
 しげに誘われて、仕事帰りに箱崎の「ゆめタウン」まで。何を思い立ったか、しげが私に「抱き枕」を買ってくれると言うのである。
 しげは時々思い立ったように、こういう「プレゼント」を衝動買いするのだが、私の方は甚だ無愛想で、どんなに嬉しくても「ああ、いいねえ、これ」くらいの反応しかしない。別にトシを食ったからそうだというのではなくて、昔からそうなのである。
 「カバーはどれがいい?」としげに聞かれても、ビニールに包まれているのでは肌触りが解らないし、色合いだって好みはないので返事ができない。適当に「これがいいかな」と選ぶが、しげはいかにも「もっと喜んでくれてもいいのに」顔である。期待に答えられないのは申し訳ないが、これでも心の中ではすごく喜んでいるのである。男の照れというものをもう少し見抜いて頂きたいと思うのは期待のしすぎかもしれないが。

 そのあと、映画を見にキャナルシティに回る。開始までにはまだ時間があるので、福家書店で本を買い、スターバックスで時間を潰す。「高いわりに量が少ない」と叩かれることの多いスタバであるが、頻繁に利用しなけりゃ、ボラれる感も少ないんじゃなかろうか。スタバファンは世間に結構いるらしいけれど、ちょっとお洒落な感じがしていても、結局はチェーン店なんで、ブランド感がするほどではない。どうしてそんなにハマる人がいるのかよく分からんのである。


 映画は『28日後……』(“28 DAYS LATER”)。
 『ザ・ビーチ』のアレックス・ガーランド脚本、『トレインスポッティング』のダニー・ボイル監督によるSFパニック映画。

 ロンドン市内の病院のベッドで目覚めたジム(ギリアン・マーフィ)は、周囲に人間の影が全く見えなくなっていることに気がつく。彼は交通事故でひと月以上も昏睡状態に陥っていたのだ。フラフラと街に出たジムは、ロンドンの街全体から人の姿が消えていることに愕然とする。ジムの「ハロー!」の呼びかけに答えるのは谺だけ。
 人を求めて入りこんだ礼拝堂で、腐敗した死体の山を見てジムは驚愕するが、そこに現れた神父は、牙を剥き奇声を上げ、狂気に駆られたように彼に襲いかかってきた。間一髪でジムを助けたのは、マーク(ノア・ハントレー)とセリーナ(ナオミ・ハリス)。二人は研究所から伝染したウィルスが、人間を凶暴化したのだと説明する。
 三人はジムの生家に向かうが、彼の両親は来るべき未来を悲観して自殺していた。しかも襲いかかってきた「感染者」にマークが噛まれ、発狂する寸前にセリーナに殺されてしまう。
 落胆し、街をさ迷う二人は、高層アパートの上階で光が明滅しているのに気がつく。そこにはフランク(ブレンダン・グリーソン)とハナ(ミーガン・バーンズ)という親娘の生存者がいた。フランクは、ラジオから流れる自動録音が、マンチェスターに駐留している軍隊が「感染者」対策を発見したと繰り返していることを教える。
 四人はその放送に唯一の希望を見出し、フランクのタクシーに乗って一路マンチェスターを目指す。その先にどんな運命が待ち受けているかも知らず……。

 あまりネタバレさせるわけにはいかないけれど、これだけは突っ込んでおきたい。軍隊が放送を流してた理由が、「女を呼び寄せるため」というのはいくらなんでもトホホ過ぎるんちゃうか。セリーナはともかく、ハナなんてまだ10代前半だぞ。追いつめられた男はナニしか考えなくなるってのには説得力はあるのかもしれないけれど、ドラマのテンションは盛り下がりますがな。
 そのあたりの描写を除けば、映像もキッチリしているし、役者の演技もよく、特に欠点というものも見当たらないのだけれど、面白いという感想も浮かんで来ない。脚本家も『トリフィドの日』に影響を受けた、と語っている通り、SF作品を見慣れている眼には、アイデアがありふれていて引っかかるものがあまりないのである。取り残された集団の間で争いが起こるってパターンも、ゴールディングの『蝿の王』がトドメ刺してるしなあ。時期的に同趣の『ドラゴンヘッド』とかぶってるんで見比べてみたかったが、こちらの方はしげが全く興味を示さなかった。両作を見た人は、どんな感想を抱いたんだろうか。

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10月03日(金)
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