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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■女優に有情/舞台中継『赤鬼 RED DEMON』/『砲神エグザクソン』6巻(園田健一)ほか
  悲しい訃報が二つ。

 漫才コンビ「いとし・こいし」の夢路いとしさんが、25日、自然気胸及び肺炎併発のため亡くなっていたことが分かった。享年78。
 私の年代の人間にとっては、1962年から12年間続いた「がっちり買いましょう」の司会が一番馴染み深い。けれど、歴史上、一番面白かった漫才コンビを上げよ、と言われて第一に名前の上がるのがダイマル・ラケットだとしたら、二番手は間違いなくいとし・こいしのお二人であろう。私個人は子供の頃、お二人のような大御所よりも、若手のカウス・ボタンや阪神・巨人の方が好きではあったが、お二人の牙城が揺らぐことは決してなかった。20年前の、あの異常な漫才ブームのさ中にあっても、お二人の漫才は「いつも通り」で、そのときようやくお二人の漫才が至極「上品」なものであることに気付かされた。
 プロフィールを調べてみて驚いたのだが、お二人は1945年、広島の爆心地近くで被爆しているのである。原爆症にならなかったのは奇跡としか言いようがないが、笑いの神様がその才を惜しんだのかもしれない。
 93年、兄弟で紫綬褒章を受章。


 27日、『雨に唄えば』のドナルド・オコナー氏が、心不全のため死去。享年78。
 仮にミュージカル映画のベストワンを選べ、と言われたら、これもまたアチラを立てればコチラが立たずで頭の痛いことであるのだが、あえて個人的な趣味で選んでしまえば、私の場合は何と言っても『雨に唄えば』である。
 ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ(レイア姫のキャリー・フィッシャーのママと言わなきゃわかんない人もいる。嗚呼……)、ドナルド・オコナーの三人によって歌われた数々のスタンダードナンバー、主題曲の『雨に歌えば(Singin' in the Rain)』や『グッド・モーニング(Good Morning)』を何気なく鼻歌や口笛で歌った経験のある人も多いだろう。
 中でも、『ザッツ・エンタテインメント』でも取り上げられたオコナーのまさに一人舞台、『笑わせろ(Make'Em Laugh)』。壁を走り撥ね回り、元はサーカスの役者だったというのもさもありなんというパフォーマンスぶりで、私なんぞはこの一曲でジーン・ケリーよりもドナルド・オコナーの方が好きなっちゃったくらいである。DVDにはオコナーのコメンタリーも収録されているそうだ。買おうかどうしようか、随分迷ったけど(というのも、これは親父も買う可能性が高かったから)、買っちゃおうかなあ。
 ミュージカルダンサーの旬は短い。ジーン・ケリーもフレッド・アステアも、一時不遇をかこち、晩年は性格俳優に転じた。オコナーの場合も、70年代は映画出演作が一本もなく、80年代になってようやく『ラグタイム』や『トイズ』に出演している(でもどちらも見てるのにオコナーが出てたかどうか記憶にないんだなあ)。それが世の習いとは言え、いささか淋しいことである。
 遺作はジャック・レモン、ウォルター・マッソー主演の日本未公開作『カリブは最高(Out to Sea)』(1997)。未見だが、なんとオコナーはこの作品でタップを披露しているらしい。当時71才、まさしく最後の芸を披露してくれているということか。レモン&マッソーの名コンビにとっても、この後の共演作は『おかしな二人2』があるのみである。
 この辺までキチンとフォローしてくれない死亡記事が殆どなのはホントに残念(T.T)。


 先週はうっかり見損なってた『鉄腕アトム』、ウワサによるとなかなかよかったらしい。アニマックスの再放送待ちとして、今日はしっかり見逃さないようにする。
 第25話『もしも涙を流せたら』。
 タイトルだけ見ると、これは原作の『電光人間』のときのアトムのセリフから取ったもののようだが(アトムにお茶の水博士が「涙を流す」機能を付けたのは、『宇宙こうもり(コウモリ伯爵)』のエピソードのとき。ただし、単行本ではカットされている)、ストーリー自体は関係がない。

 地上の環境を守るために、地下に作られた理想都市・ジオシティの落成式に招待されたお茶の水博士とアトム。

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09月28日(日)
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