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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■回想の妻/『にっちもさっちも 人生は五十一から』(小林信彦)
 職場の若い子がフンフンと鼻歌を歌ってたので、何かと耳を傾けてみたら、これが『ゲッターロボ』。「若い命が真っ赤に燃え〜て〜♪」という出だしの部分だった。当然、本放送のときに『ゲッターロボ』を見ているはずはない。「再放送で知ってるの?」と聞いたら、一度も見ていないし、『スパロボ』も知らないと言う。
 「じゃあなんで知ってんだよ」
 「いや、カラオケで……」
 友達と一緒に出かけたときに知ったんだとか。
 「番組も知らないのにそんなに燃えられるものなのかなあ」
 「だってカッコいいじゃないですか!」
 カッコいいのはわかったから、「じゃないですか」と語尾につけるのはやめてちょ。
 なんかイマドキの若い人はゲームもあまりしないみたいね。でも友達とカラオケに行ったからと言って、コミュニケーションの取り方がうまくなってるかと言うとそうでもない印象なのはなぜなんでしょ。


 ようやくしげ、仕事休みが取れる。
 久しぶりに私の職場まで迎えに来てもらって、4日遅れのしげの誕生祝いにキャナルシティまで繰り出すことにする。明々後日が父の誕生日なので、ついでに父へのプレゼントも買えるので一石二鳥。しげは「箱崎の『ゆめタウン』に行こうと思ってたのに」とブー垂れる。そんなんどっちでもいいじゃん。あそこは本屋がないんであまり好きじゃないのである。しげ、「オタクな本屋なんて、普通ないよ」と吐き捨てるように言う。自分だって紀伊國屋に行ったときはずっとサブカルのコーナーにいるくせになあ。

 途中、グッデイに寄って、車用のマッサージシートをしげにプレゼント。なんかムチャクチャ実用的なプレゼントであるが、最近、仕事が忙しくて立ちっぱなし、相当腰を痛めてるようなので、少しは役に立てばいいんだが。なんかこういう健康器具の類って、「ぶら下がり健康機」の昔からあまり信用ならんなあと思ってるんで。
 早速、シートを座席に設置して、振動部がちょうど腰に当たるように枕で高さを調整し始めるしげ。電源を入れると、振動が助手席のこちらにまで伝わってくる。なんかしげの目もキラキラしだした。……喜んでくれてるというより、エサ撒いた途端に池の鯉が口開けて飛びついてきたような感じがするのは気のせいか。

 キャナルシティ到着は6時過ぎ。外はもう暗くなっていて、日が落ちるのが随分早くなったなあ、と感じる。
 父へのプレゼントは、なんか適当な服をしげに選んでもらう。色とかわかんないからこれはしげに頼んだ方が無難なのである。

 そのあと、四季劇場に回って、『オペラ座の怪人』のチケットを購入。予定日は土曜の昼なのだが、既にほぼ満席で、後ろの方の席しか残っていない。平日はまだ空いてるんだろうなあ。土、日しか動けないから、仕方がないんだが。

 福家書店で本を買いこんだあと、いったんキャナルから外に出る。
 しげがやっぱり誕生日の祝いは「焼肉で」と言うのである。ちょっと違うんじゃないかとも思うが、まあいいか。で、前からいっぺん行ってみたかった「大東園」に入る。週末で随分込んでいて、30分ほど待たされたが、ようやく着いた席で注文した肉の数々、この味がもう、これまで食べた肉の中でも最上の部類。いやホントマジで「肉ってこんなに美味いモノだったか」と思ったね。
 ロース、ハラミ、フィレ肉、豚トロ、どれも美味いが、サイコロ形に切ったフィレ肉はもう絶品である。六面満遍なく焼いて、タレもつけずに味見(私は焼き肉は最初はタレを付けずに肉の味そのものを味わう)。程よく焼けた肉の歯応え、中は柔らかいが、決して火が通ってないわけではない。甘い肉汁が口いっぱいに広がって、肉そのものは舌の上でとろける。いやホントにこれが比喩じゃないんだ。

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09月19日(金)
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