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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■そう言や久しぶりのカラオケだったな/『雑多なアルファベット』(エドワード・ゴーリー)
 昨日はテレビニュースをリアルタイムで見ていた、例の爆発事故、昨日に続いて詳細がニュースで流れる。
 犯人は軽急便の委託業者の別府昇容疑者(52)。
 容疑者が、刃物・洋弓銃を手にして、名古屋市東区のビル4階の運送会社事務所に押し入ったのは、昨日の午前10時すぎ。台車の上にポリタンク2個を乗せて、うち1個をけり倒して、床一面にガソリンを撒いて、「7、8、9月分の給料25万円をすぐ払え」と要求、支店長を含む8人を人質に立てこもった。
 県警は捜査員をドア越しに配置し、犯人の説得を試みた。しかし犯人は7人を解放後、ガソリンに火をつけた。捜査員が突入しようとした瞬間、爆発が起きた。
 犯人及び最後の人質だった支店長、そして捜査員の一人の計3人が死亡。近くにいた24人が重軽傷を負った。

 ガソリンを撒いただけで爆発なんて起こるんかいな、と化学的知識の全くない私はぼんやりテレビを見ていたのだが、気化したガソリンが密閉された空間に充満していたところに一気に火がつき、唯一開いていた小さな窓目掛けて吹き出したものだという。へぇ。
 犯人は自殺を試みたのではないかということだが、そんな爆発の知識があったとも思いにくい。金が目的だったのだから、火に紛れて逃げようとか、その程度のことしか考えてなかったんじゃなかろうか。
 事件そのものについての感想は特になし。巻き添えくらった支店長さんとお巡りさんがホントにお気の毒ってことくらい。


 突然しげが「カラオケに行く!」と言い出す。なんかストレスが溜まってたらしい。
 「何のストレスが溜まってるんだよ」と聞いたら、眉間にシワ寄せて(もっともしげの眉間にはしょっちゅうシワが寄ってるのだが)「アンタ」と言われる。
 「オレがオマエに何のストレス与えてんだよ。逆だろ」
 「いんにゃ、アンタもオレに与えてるね」
 「オレがオマエになんか与えてるとしても、オマエがオレに与えてるストレスのほうがずっと大きいね」
 「五十歩百歩じゃん」
 「五十歩百歩ならたいしたことないけど、千歩一歩なら大きな差だね」
 「そうやってすぐ自分を美化するし」
 「『美化』ってそういうときに使う言葉とちがうぞ!」
 なんか思い出して書くだにコドモの会話である。これで40と30の夫婦だからなあ。


 「シダックス」の会員券、私はどこかにやっちゃってるので、しげので入る。しげはバイト先の同僚の人たちとも時々出かけてるらしいので、あちこちのカラオケ券を持っているらしい。しょっちゅう「今度はどこそこのカラオケ屋に行こう」と誘われるのだが、そのたびごとに店の名前が違う。カラオケ屋荒らしでもやってるのかこいつは。
 新番のアニソン・特ソン、いくつか歌えるのがあるかどうか探してみたが、番組自体は見ているのに、主題歌が思い出せないというものが多い。『ナージャ』はキィが合わないから仕方がないとしても(そもそも歌おうと考えること自体がなあ)『ガオレンジャー』も『555』も『ガッシュベル』も全然覚えてない。20代のころまでは、斜め見してたアニメだって2、3回聞くだけで殆ど覚えていたのに、40の坂を越えた時点でもうアウトなんである。
 しげは外人にでもなりたいのか洋モノばかりを歌う。私もむりやりデュエットで『The Phantom of the Opera』を歌わされるが、舞台で一回、カラオケで一回しか聞いてない歌を何で歌えるものか。それでもしげの方は音程を外しつつもなんとか歌っている。「よく知ってんな、こんな曲」と聞いたら、しげ、「オレも一回しか聞いたことないよ」と言う(舞台は私しか見に行ってないのだ)。オモテに出たがらないクセにこういう隠れたところではやたらチャレンジャーなのだな。
 日頃は歌いつけてない歌を歌おうとアニソンを探しているうちに、いくつかの事実を発見。耳には馴染んでてもちろんソラで歌えるのだけれども、私は『オタスケマン』の歌を一度も歌ったことがなかった。なんかこういうのほかにもある気がするなあ。


 エドワード・ゴーリー(柴田元幸訳)『雑多なアルファベット“The Eclectic Abecedarium”』(河出書房新社・1050円)。

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09月17日(水)
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