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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■言論にはリスクが伴うということ/映画『羅生門』
 昨12日の朝、東京都江東区の東京港建材埠頭で、ルポライターの柏原蔵書(かしわばらくらがき/本名・染谷悟)さんが遺体となって発見された。本職はフリーカメラマンなのだが、東京・新宿の犯罪や風俗の実態を紹介した『歌舞伎町アンダーグラウンド』という著作もあり、最近は銃社会の取材を始めようともしていたとか。
 犯人が誰なのかはもちろんまだ調査中なのだが、著書の中に「本を書いたことで歌舞伎町を敵に回してしまったかもしれない」と記し、また、出版後は周囲に「命を狙われている」とも話していたというから、ウラのなんたらの報復措置だとも考えられる。
 いつぞやの『悪魔の詩』事件の時にも思ったことだけど、「表現の自由の保証」だのなんだと言いながら、その実、日本人の殆どがそんなものには関心がないんじゃないかと疑りたくなってんだよね、私ゃ。
 だってさあ、みんな普段はこの言葉を金科玉条みたいに口にしてるけどさあ(特に識者とやら)、それがなぜかって言うと、自分の意見を押しつけるための言い訳に使ってるだけなんだよねえ。それが証拠に、日頃この手の発言してるやつに限って、こういう事件が起こって何か言うかっていうと黙りこむんだよ。トバッチリがくるの、イヤなんかね。アンタラがまず真っ先に怒りを表明して然るべきなんでないの? と言いたいよ。
 そういう口の達者なヤツらって、いつも言い訳だけは用意してるんだよ。
 まだ捜査中の段階ではコメントできないとか(いつもは憶測だけでモノ言うことも多いくせにな)、今はまだ事情があって語るべき段階にないとか(で、あとで語ったってあまり聞かないなあ)、果ては「言論は無力だ」とか(なら最初から黙ってろ)。
 命が惜しいのは当然だろうから、沈黙するのが悪いとまでは言わない。けど、日頃は好き勝手放言しときながら、何かあったら逃げるってことは、そういう事態に自分が置かれるって可能性、考えてなかったってことだろ? 自分にだけは弾圧も攻撃も来ないと甘く見てたってことだよね? そこは突っ込まれたり批判されたりしても仕方ないんじゃないかね。
 私も見た本や映画の感想、こうして好き勝手書いて公開までしてるもんだから、たまに実作者の方から書いたことについて訂正や批判を求められることもある。そこで事実の誤認があれば訂正してるし、拠って立つ立場が違う場合はそれを説明もする。そういうことはないだろう、なんて高を括ってたりはしてない(よくこんなもんまで読んでるなあ、とは思うが)。たとえば『座頭市』について批判してる部分もあるけど、たけしが乱入してきたら謝る覚悟は持ってるぞ(謝るんじゃん)。
 世の「識者」のみなさん、この事件についてはもっと声を大にして真相究明を求めるキャンペーンくらい張ってもいいんじゃないのかね。なにかモノを言って狙われたら即アウト、なんてふざけた状況、許したいわけじゃないだろうに。それこそ自分たちの「死活問題」なんだから、いつも言ってる「法整備」だの何だの、主張すべきことは一杯あると思うんだけどね。


 朝、早起きしてしまったので、しげを誘ってガストで食事。
 最近ここのディスプレイで「二角どり」というゲームをするのが我々夫婦のマイブームである。1回50円で同じマークの麻雀パイをクリックしてめくって行く遊びなんだが、直接隣り合わせになってるか、空間で繋がってないとめくれないのである。
 朝もはよから画面を指でプイプイ押してる怪しい二人組というのも何なんだが、まあ、人に迷惑かけてるわけじゃなし。
 そのあと、合コンゲームをやって画面の中の女の子をナンパ。百円でやれる程度のゲームだからあっという間にキスまで行ってしまう。でもそれから先がない。ファミレスだからそれが限界だよなあ……ってそもそも恋愛シミュレーションゲームがあるだけでもヘンなんだが。
 

 いよいよ明日が公演本番なので、よしひと嬢、今日から二泊三日のお泊り。
 今度の脚本にはモチーフに黒澤明の『羅生門』を使っているのだが、よしひと嬢、未見とのことなので、本棚を猟ってビデオテープを引っ張り出す(DVDは山のどこかに沈んでて見つからなかった)。


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09月13日(土)
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