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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■キッチュと言うか、トンデモなのかも/『爆龍戦隊アバレンジャー』第26話/DVD『キノの旅』2・3巻ほか
 『爆龍戦隊アバレンジャー』第26話「釣りバカアバレ日誌、どもども」。
 いつもは『アバレンジャー』、『555』、『ナージャ』あたりの感想は書くの省略してるけど、今日のばかりは書かずばなるまい(^o^)。

 舞と凌駕がテレビアニメ『釣りバカ日誌』を見ているところに、トリノイド「ツリバカツオリーブ」が現れたという知らせが。
 トリノイドは街の人々を釣竿で釣り上げてはオリーブの実に変えていた。しかも『釣りバカ日誌』のハマちゃんの息子・鯉太郎も釣り上げられてしまったのだ!
 凌駕たちは、テレビの中のハマちゃんから「鯉太郎を助け出して!」と頼まれる(声はもちろん山寺宏一)。爆竜チェンジしてトリノイドに立ち向かうアバレンジャーたちだったが、釣り上げた人々をオリーブに変えて詰め込んだ瓶を楯にしているので攻撃ができない。
 その様子をテレビの中から見ていたハマちゃんは(わざわざテレビを現場まで持ってきているのである)ガマンできずにテレビの中から飛び出して、「おまえなんか、釣りバカの風上にも置けないっス! 釣りってのはこうやるんでぃっ!」と一本釣りでオリーブの瓶を釣り上げた。思わず「何でもアリだな!」と感嘆する4人。逃げるトリノイドをスーパーダイノボンバーで倒して(あとはいつもの展開なので省略)オリーブの実に変えられていた人々は元の姿に戻り、鯉太郎もパパとヒシと抱き合うのであった。そしてハマちゃんは、凌駕たちと釣りに行くことを約束して、再びテレビの中へ戻っていった。
 幸人が「どうしてテレビから出てこられたんだ?」とつぶやくと、凌駕と舞ちゃんはニッコリ笑って「それはハマちゃんのダイノガッツが奇跡を起こしたからさ!」
 それを聞いて「なーんだ、そうかあ!」とみんなも納得したのだった。するのか(^_^;)。

 アニメと実写の合成を行った一番古い例が何だったかは忘れたけれど、真っ先に思いつくのは『錨(いかり)を上げて』のジーン・ケリー&トムとジェリーのダンス。ありゃあ楽しかった。
 世界観が違うキャラを共演させるパターンってのは少なくないけど、小説でも映画でも、それやって成功した例って、実はそんなに多くない。『ルパン対ホームズ』だって、ホームズファンには腹立つ部分があるだろう。『マジンガーZ対デビルマン』は見たときなんじゃこりゃって思ったしなあ(この辺、例を挙げてくとキリがないので省略)。
 ましてや「アニメ」と「実写」の共演となると、既に世界観どころか「表現」そのものが違うわけだから、リクツから言えばよっぽどヒドイ出来になってもおかしかないはずなのだ。ところが、これがおかしなもので、ここまで「違和感」があると、かえって面白くなっちゃう作品がやたら多いんだよねえ。『ロジャー・ラビット』のモノ凄さを思いだして頂きたい。『クールワールド』なんて珍品もあったね。
 で、『アバレンジャー』と『釣りバカ日誌』である(『釣りバカ』のほうにも「アバレンジャー」が出演してたそうだが、こちらは私は未見。実写での登場ではなく声優として出演したとか)。もう世界観どころか、作品の質が違いすぎる。つまり八手三郎とやまさき十三の合作なわけだからなあ。これに匹敵できる合作と言えば、水島新司と里中満智子、吾妻ひでおと萩尾望都の合作くらいしかないのではないか(^o^)。まさに「何でもアリ」だね。普通、このコトバは、称賛、批判の双方に使えるが、この場合はただただ「驚嘆」だ。もう視聴者はテレビの前で大歓喜、大爆笑していたのではないか。
 と言いつつ、私はと言えばニコリともせずにただ呆然としていただけだったのだが、ふと我に帰って思ったのは、「これ、『555』でやったら大激怒するファンしかいないだろうなあ」ということであった。考えてみたら、「戦隊シリーズ」はその濫觴たる『秘密戦隊ゴレンジャー』自体、何でもアリの色モノだった。ゴレンジャーで似たようなことをやっていたとしても、やはりファンは喝采を送ったことだろう。
 『ゴジラ』の「シェー」に賛否両論があり、『ウルトラマン』の実相寺演出を嫌うファンもいることも考え合わせると、明らかにファンは同じ特撮作品、SF作品であっても、戦隊シリーズを「特殊なもの」として認識していることが分かる。

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08月24日(日)
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