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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■病院尽くし/『炎の転校生』1巻(島本和彦)
仕事は半ドン、通院のため、しげに職場まで迎えに来てもらう。
医者に行くことは予め伝えておいたのに、車に乗りこむなり、いきなり「どこ行くと?」と聞かれたのでガックリ。昨日も天神回りの約束をケロッと忘れられていたのだが、もうしげの海馬には活断層ができているのではないか。だいたい何しに迎えに来たつもりだったのだろう。
内科と眼科をハシゴしなければならないので、まずは内科の方へ。
しげも最近はまた腰の調子が悪くなってるようなので、ついでに整形でリハビリを受けることにする。新しい車は座席も広くなって、少しは楽になってると思うんだが、やはりクッションを腰のところに敷いておかないと、すぐに痛くなってしまうらしい。
「待ち合わせはどうする?」と聞かれたので、「携帯で連絡取ればいいやろ」と答えて別れたが、考えてみれば病院内は携帯は不可なまのであった。あちゃーと思ったが、あとの祭り。ま、なんとかなるでしょ。
主治医に指が痛み始めたことを話すと、「糖尿病が進行してますね」と一言。 「運動はしてますか?」
「帰りにひと駅前で降りて歩いてます」
「いいですねえ。それを続けてください。体重は?」
「82キロです(ちょっと太った)」
「やっぱり80切らないとですねえ」
なんだかいつもと同じ会話なので拍子抜けである。クスリを変えるとか、何かやりようがないものだろうか。
検査と診察を終えて客待まで出てみたが、しげの姿はない。何しろ連絡が取れないので、まだリハビリ中なのか、外に出ているのかが解らない。いったん病院の外に出て電話してみたのだが応答がない。仕方がないので留守電にメッセージだけを入れておいて、薬局でメルビンを貰い、眼科に移動する。
右眼のみ点眼して検査。約1ヶ月ぶりであるが、どうやら裂孔はこれ以上広がらずにすんでいるようである。でも飛蚊症が治ったわけではないので、余りうれしいわけではない。次の通院はまた1ヶ月後とのこと。
結局、病院2軒のハシゴで2時間近くかかってしまった。
いい加減でしげの治療も終わってるんじゃないかと思い、外に出て携帯に連絡を入れねと、すぐにしげが出た。
「今どこにおる?」と聞くと、「そっちに向かいよう。見えるやろ?」と答える。と言われても、私の視力では全然分らない。
「見えるやろ」
「見えんて」
「見えようよ」
「見えん」
不毛なやりとりをしていたら、目の前に携帯を耳に当てたしげが立っていた。さすがにその距離なら見える。
「今までずっと病院にいたの?」
「やあやあ随分時間かかったよ」
よく分らないが、単に腰を伸ばすだけでなく、電気治療のようなものもやったらしい。最初は要領がわからないので、痛くてもガマンしてたそうだが、隣りの人が「痛い!」と叫んで電流を弱くしてもらっていたのを見て、「ああ、電流って調節してもらえるんだ」と気付いたとのこと。普通そうだろ。
「これからどうする? 映画に行く?」と能天気なことを言うので、「今、瞳孔開いてるんだよ」と怒る。さすがにこの状態で映画なんぞ見た日にゃあ、目の前まっ白である。
ちょうどうまい具合に、上司の入院している病院も近くだったので見舞いに寄る。しげはその間、近所のゲーセンで時間潰し。
上司、アキレス腱を切って全治2ヶ月の診断が降りているのだが、2週間で職場復帰すると息巻いている。体調自体が悪いわけではないので、そう言いたくなる気持ちは分からなくはないのだが、やはりちょっと無理してはいないか。
仕事の話、四方山話の合間に、例のあの方の話が出る。
「どうですか、あの方は」
「相変わらずですねえ。会話が難しいです」
「私とは口も利いてくれませんからねえ。藤原さんとなら、話が合うんじゃないですか?」
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08月22日(金)
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