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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ココロさみし/映画『愛してる、愛してない…』
 最近、職場で気疲れすることが多いので、ささやかな憩いを、ということで、職場の机の上に手塚治虫のミニフィギュアを置く。
 例の食玩(と言ってもお菓子が入ってないから既に食眼とは言えないのだが)のシリーズ第2弾のやつで、モノは『ふしぎなメルモ』である。赤ん坊メルモ、普通のメルモ、おとなメルモと三体が同時に立ってるんだけど、前シリーズと同じで、出来はいいがキャラ自体は全然、手塚治虫の絵に似ていない。でも見てると何となく和んでくる。決してメルモがパンチラで目をつむってキスしようとしてるように見えるからではない(^o^)。
 私の職場を考えると、そんなモノを置いてたらちょっと問題が起こりそうではあるのだが(どんな職場だ)、目立たないよう、ものの陰にちょっと置いているだけなので、上司には見つからないであろう。
 ……しかし困ったねえ、「癒し系」なんて言葉、大っ嫌いなのに、いつの間にか「癒されたい病」に罹ってるよ。


 居残り警備を終えて、天神に直行。いつもはしげと一緒なので、車で比恵まではすんなり行けるのだが、今日は一人、バスと地下鉄を乗り継いでなので、時間はギリギリ。食事をするヒマがない。空腹を抑えながら天神東宝で、映画『愛してる、愛してない…』を見る。
 『アメリ』で大ブレイクしたオドレイ・トトゥ主演の、これがまた何と言うか、見事にハートを射抜かれちゃった大感激の大傑作。ところがどこがどうよかったかを語ろうと思ったら、これくらい難しいものもない。
 このタイトルを映画を見終わったあとで考えてみると、実に上手いつけ方だと言えるんだよねえ。原タイトルは“A la folie pas du tout(心より狂気をこめて)”なんだけれど、それよりずっといいなあと思う。でもその理由がまた、一切説明できないんですよ、これが。
 いや、筋そのものは「途中までは」なんとか語れるんだけどね……。

 ヒロインは画学生のアンジェリク。明るく、元気な彼女は、絵の技術も個展を開けるくらいの実力で、賞も取って未来は明るく開けているように見える。デッサン中にモデルの顔をつい好きな人の顔にして書いちゃうようなおちゃめなところもあるけれど、夢見がちなのは恋する乙女のセオリー。
 そんな彼女の恋の相手は心臓外科医のロイック。でも、彼には奥さんもいて、今度は子供も生まれるとか。でも、アンジェリクはめげたりしない。
 あの人の心が、本当は私にあることを、何より私が知ってるもの。
 夜は一緒にパーティで、二人だけの時を過ごした。休日は公園で、あの人の姿をスケッチした。それなのに……。最近になって、彼が私との約束を破るようになった。約束の場所には現れない。二人で行こうって誓ったフィレンツェ旅行も当日になって、キャンセル。あの人、もしかして奥さんの元に……?
 「もう、あんな男とは別れたほうがいい」って、友達のエロイーズも、私に片思いしてるダヴィッドも忠告してくれる。けれど、もう、私の恋は止まらない……。

 えー、これを読んで、まだ映画を御覧になってない方は、原タイトルの「心より狂気を込めて」って意味が、アンジェリクの募る思いを表現したものだとお思いでしょうか。
 そして二人の恋の結末がどうなるのか、それがこの映画のクライマックスになるのではないかとご想像されますでしょうか。
 ……だから、それから先が何にも言えないんですよう(T∇T)。なんで言えないかすら言えない。この映画に関するいくつかのサイト見たら、そのへん書いちゃってるのがあるんで、もしこれから見に行こうって人は、できればそういう事前情報も入れないで見てほしい。そして見て、「驚いて」ほしいんですよ。
 アンジェリクのオドレイ・トトゥはともかく素敵です。見た人の中には「あんな女はなあ」と仰る方もいらっしゃるかもしれない。でも、彼女を通して描かれているのが「愛」の本質であることに疑いはない。アンジェリクを愛せない人間は、愛を知らない人間だと言ってもいいでしょう。
 何が何だか訳わかんないでしょうが、しょうがないんです。禁じ手だけど、あえてこう言わせて頂きましょう。「ともかく見ろ!」
 ほてから、チャットでこっそりささやきあいましょう(^o^)。

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06月06日(金)
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