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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■路傍の石のように生きたい/『ああ探偵事務所』3巻(関崎俊三)/『爺さんと僕の事件帖』4巻(しかくの)
 同僚の一人がなにやら真剣な面持ちで、「藤原さん、ちょっとお願いがあるんですが」と耳打ち。
 「なんですか?」と聞き返すと、「ここではナンですから」と、暗闇に(^o^)連れていかれる。
 なんだか怪しげな雰囲気なので、まさか「いい○○○があるんですが」とかそんなんじゃねーだろーな、とちょっとびくつく。
 あたりを見まわし、ヒト気がないことを確かめて、その同僚、「実は」と切り出す。
 ゴクリと唾を飲みこむ私。
 「……藤原さんに余興に出てもらいたいのです」
 ……はあ? とは思ったが、声には出さない。そういえば、忘れかけてたが、もうすぐ宴会があるのであった。
 「藤原さんには、ある『役』を演じてもらいたいのです」
 「と言うと、芝居か何かをやるんですか?」
 「はい」
 宴会に参加する気などこれっぽっちもなかったのだが、私が劇団に参加しているということを一部の同僚は知っている。どうもそこを勝手に見こまれたらしい。私は脚本専門だってのに。
 もしかして……と思い、同僚に質問する。
 「……イロモノですか?」
 ニッコリ笑う同僚。それ以上は全く話してくれなかったが、どうも何やら「かぶりもの」をしなくてはならないらしい。その同僚には先日欠勤したせいで、迷惑をかけており、とても断れる雰囲気ではない。
 ああ、いやだなあ。目立つことはできるだけ避けて生きるのが私のポリシーだというのに。仕方なく引き受けてしまったが、いったいこれからどうなることやら。


 昨二日、北九州市八幡西区黒崎の複合商業ビル「コムシティ」が自己破産を申請。負債総額は130億円に上るとか。96の店舗は全て閉店に追い込まれ、北九州市が無利子で融資した35億円は回収不能のまま。
 第三セクターの破産としては、宮崎シーガイアの3261億円倒産には遠く及ばないものの、一市町村の破産としては結構な額だろう。これだけの税金が無駄に使われたんですぜ、どう思いますかね、よしひとさん(←北九州市民なのである)。
 北九州市の末吉興一市長は、「多くの人に迷惑をかけ申し訳ない。市として、できる限りのことをやりたい」とコメントしてるが、いつぞやの北九州博と言い、アンタが頑張っていい目が出たことなんてほとんどないと思うんだけど。
 そごうの倒産と言い、今度のコムシティと言い、立地的には駅に隣接、それなりの集客は見込める好条件であるにも関わらず、こうも失敗続きと言うのは、やはり資金投資の規模がデカ過ぎるのである。
 ハッキリ言うが、わざわざ北九州くんだりまで買い物に行く人間がどこにいるのか。福岡の人間は福岡だけで充分買い物ができる。九州の他県の人間だって、遊びに行くなら福岡だ。北九州でメダマになる施設と言えば、スペースワールドと、松本清張記念館しかないではないか(後者は違うというツッコミは聞かん)。地元の人間しか利用しないのが最初からわかりきってるのに、どでかい施設を作ったって無意味なのである。
 人口流出が進み、既に政令都市の基準に達しなくなりつつあることから焦っているのはわかる。けど、鉄鋼業が駄目になっちゃった時点で、北九州市に未来はなくなったのだ。町というものが発展するためには、そこが他の町からも「必要」とされる何かがなければならない。福岡への対抗意識から、福岡のマネをしてみたところで、それはただの二番煎じではないの。誰が振り向いてくれるというのか。
 例えて言うなら、今の北九州の狂乱ぶりは、男に捨てられ、ほかの女に走られてしまった女が、嫉妬に狂って、「ほら見てよ! 私の方があの女よりいいカラダしてるわ!」と前をはだけて見せてるようなものである。誰がそんなん見るかい。
 自分たちが「捨てられた女」であるという客観的な事実から目を逸らしたって、立ち直ることはちょいと無理だと思うんだけどねえ。まずはつつましやかに、一人で生きていくことを考えた方がいいんじゃないでしょうか。


 昨日、ウチに届いた「金払えメール」(厳密に言えば借金メールではなくて、「コンテンツの使用料を払え」って内容でした)、唐沢俊一さんのところにも届いていたようだ。

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06月03日(火)
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