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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■しげ、テレビ出演!/『江戸川乱歩と少年探偵団』(堀江あき子編)/『クイーンフェニックス』上・下(横山光輝)
例のあぐにさん向けのSFレビュー、本棚を引っ掻き回しながらチョイスを続けている。
昔、読んだことあるやつを読み返しているのだから、ところどころトバシもするし、読むスピード自体は早いのだが、自分でも「……こんな話だったっけ?」と思うくらいに中身を忘れていたりする。
それに、アマゾンコムあたりで検索してみると、ホントに絶版・入手不可になっているものも多い。全く、SF受難の時代であることだ。
けれど、以前、山本弘さんの「SF秘密基地」の「初心者向けのSF」スレッドで私が紹介した、ポール・アンダースン&ゴードン・ディクスンの『地球人のお荷物』、ハリイ・ハリスンの『テクニカラー・タイムマシン』、トム・ゴドウィンの『冷たい方程式』、これ全部山本さんは「絶版でしょう」と仰ってたが、調べてみたら、全部入手可能であった。アマゾンコムは絶版本も扱っているから、必ずしも絶版かそうでないかは判然としないのだが、少なくとも入手可能なものを「手に入らないだろう」というニュアンスで言ってほしくはなかったなあ。 念のため、本屋の店頭も回ってみたが、『地球人のお荷物』と『冷たい方程式』はしっかりあった。……山本先生、忙しいのは分るけど、ちゃんと調べてからモノ言ってよ(T∇T)。
この三作をなぜ推薦したか、ということは、往年のSFファンであるならば、容易に見当がつくことであろう。御覧の通り、それぞれの持つテーマが全部違っているし、その中でも特にエンタテイメントに徹したものを選んでいるのである。『テクニカラー・タイムマシン』は、もちろん、タイムマシンものの一つでタイムパラドックスに面白い結末をつけてくれているし、もちろん『冷たい方程式』は「方程式もの」の元祖だ。
今日までに選んだ分も、できるだけテーマがバラけるようにしてみた。
『地球人のお荷物』に始まる『ホーカ』シリーズは、今回もあぐにさんに特にプッシュするつもりで推薦したが、これはファーストコンタクトもの、あるいは「異文化交流もの」(^^)と言われるものの一つである。
あぐにさんは梶尾真司がお好きなようだから、恐らく梶尾さんのファースト・コンタクトものの傑作、『地球はプレイン・ヨーグルト』はお読みになっているであろうと推察した。ならばこれも面白く読んでいただけるのではないかと想像して選んだのである。
SFという手法の「効果」の一つとして、モノを常に相対的に見られる、というものがある。つまりは絶対的な固定観念を否定するところから物語が始まるわけで、「宇宙にはこんなにトンデモナイ文化だってあるのだ」というファースト・コンタクトものは、まさしくSFの王道なのである。
実際、小説もそうだが、映画ではこのテーマはこぞって描かれる。でも、あまりに描かれすぎちゃって、最近の作品はどれもどこか大上段で、異星人の存在をやたら超越的な存在か侵略者に限定しがちだ。
『未知との遭遇』って、どこがSF? スピルバーグの手前勝手な夢物語でしかないではないの(←当時のSFブームが過ぎ去った今、意外に地雷発言ではないらしい)。『コンタクト』や『ミッション・トゥ・マーズ』はいかがですか。そう考えると『2001年宇宙の旅』は「うまく逃げて」ますね(^o^)。
真正面からこのテーマに挑むと、どこか滑稽になってしまう。だったらいっそのことギャグで、というか、ギャグとSFは既成概念の破壊という点において極めて近い関係にあるのだが、「地球の文化にかぶれたテディ・ベアの姿をした異星人」なんてフザケた設定、よくもまあ考えついたものだ。
『スターウォーズ ジェダイの復讐』のイウォークを見たとき、「ホーカのマネじゃん!」と思ったSFファンも多かろう。ルーカスもまたSFオンチである(←これも本人が認めてるし)。
実際、1970年代半ばの、「映画主導のSFブーム」には、コアなSFファンは殆どノッてはいなかったのだ。ノッてたのは石上三登志と手塚真くらいのものではないのか(^o^)。
2作目『くたばれスネイクス! 』と3作目『がんばれチャーリー』も挙げたが、最新の版の『お荷物』の折り返しを見ると、『がんばれチャーリー』の記載がない。……なんで一作だけ絶版にしたのかなあ。
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02月21日(金)
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