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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今日はケンカしなかったね/映画『スコルピオンの恋まじない』/DVD『新八犬伝 辻村ジュサブローの世界』
二、三ヶ月前からしげは今日のこの日を楽しみにしていた。
なんて書きだしで始めちゃうと、まるで結婚式みたいだが(^o^)。
東京の方の公開からは数ヶ月遅れではあるが、ダン・エイクロイド客演の(主演はウディ・アレン)『スコルピオンの恋まじない』の福岡公開初日なのである。
何度か書いているが、しげはダン・エイクロイド主演の『ブルース・ブラザース2000』に都合20回以上、劇場に通ったほどの(しまいにゃ劇場支配人の外国人に顔を覚えられたらしい)ダン・フリークである。
まあ、いい役者だとは思うがなんでそこまで入れこむか、という野暮は言うまい。誰しも、そういう憧れの人を持っているものだ。こないだも、『帰って来たウルトラマン』を見ながら、しげに「ダンが出てるよ」と言ったら「え? どこどこ!?」と目を輝かせたので、「団次郎」と言ったら、ちょっと惨殺されそうになりました。しげに冗談は通じないのである。
こんなしげだから、ダンの初日と来れば、朝イチでしかも一番乗りでないと気がすまない。
ところが、そのしげが寝過ごしてしまった。
第1回の上映は、11時からなのだが、しげが目を覚ましたのは10時過ぎ。劇場は天神の外れにあるので、とても今から急いで出かけても間に合わない。私はもっと早くに起きていたのだが、ネットを見ていたりしていたら、時間の経つのをつい忘れていた。
しげが泣き出しゃしないかと、ちょっとハラハラしながら様子を窺う。目が覚めるなり、挨拶もせずそのままトイレに向かうしげ(挨拶しないのはいつもだが)。俯いてショボンとはしているが、泣いてはいないようだ。
トイレから出てきたところで、さりげなく「何時に出かける?」と聞く。
……返事がない(^_^;)。
「2時の回に間に合うのでいいかな?」
「……もう、見てる人がいるよね」
「……うん」
「どんな人がいるかな」
「……さあ……」
私になんと答えろと言うのだ(T∇T)。
でもまあ、何とか心を落ちつけてくれてはいるようだ。考えてみれば、東京の方では既に公開済みなんだし、今回はそれほど「一番乗り」には拘らなくてもいいはずなのである。
外は雨である。
比恵から地下鉄に乗って、合間の時間をベスト電機のlimbに寄ったり福家書店に寄ったりして潰す。
天神をうろつくときは地下街を利用することが多いので、殆ど傘を持ち歩く必要はない。今日もいつものデンでここまでは全部地下を通って移動していたのだが、外に出た時点で、ついうっかり傘を忘れていたことに気づいた。
劇場のKBCシネマに行くまでには、ちょっと距離がある。時計を見ると、上映時間の30分前。徒歩で10分の距離だから、どこかそのへんの店に入って傘を買う時間は充分あるのだが、そんなことを言い出そうものなら、ただでさえ時間に遅れることを異常に気にするしげのココロが落ちつくはずはない。
覚悟を決めて、雨の中、早足で劇場に向かう。雨といっても土砂降りではなく、小雨だったのが幸いした。濡れはしたが、ずぶ濡れで風邪を引くというほどではない。
KBCシネマは、5、6年前までは本当にKBC(九州朝日放送。テレビ朝日系である)の建物内にあったミニシアターである。
一階が品のいい喫茶店になっていて、そこでサンドイッチとコーヒーで一服してから映画を見る、というちょっとだけエスタブリッシュな(^o^)気分になる、というのが楽しみだったのだが、KBCの改装で劇場が潰されてしまった。
映画館自体は存続して、真向かいの空地にプレハブみたいな建物を立てて、今はそこがKBCシネマになっているのである。座席はそう悪くはないが、ロビーがともかく狭く、あまり、エスタブリッシュとかゴージャス、という感じはしなくなっている。天神というよりは長浜に近く、地下鉄やバス停からも歩いて遠いので、あまり行き易くはないのだが、『スコルピオン』のように、ここでしかやらない、という映画も多いので、それなりに繁盛はしているようだ。
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02月15日(土)
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