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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■階段の怪談……f(^_^; スンマセン/『自殺』(柳美里)ほか
 ちょっと今日は怖い話をしましょう。
 しげはぜひ読んで怖がるように(^o^)。

 その日(って今日だけど、これは「語り」の定番なんで気にしないように)、私は残業で、七時過ぎまで職場に居残っておりました。
 山奥で人家もまばら、冬のこととて、あたりはしんしんと静まりかえっております。
 夜の見回りもこれで何度目でしょう、建物の中の暗がりにも随分馴れてきて、懐中電灯を片手に、一階から二階、と心の中で鼻歌なんぞを歌いながら(ホントに歌ったらバカみたいなのでしません)歩いておりました。
 コツ、コツ、と私の足音だけが廊下に響きます。
 建物は3階建てです。3階の廊下の天井灯がなぜか点きっぱなしになっていたので、スイッチを切って、屋上に登る階段を上がって行きました。
 屋上までは天井灯がありません。そのために懐中電灯が要るのです。寒いので外までは出ませんが、屋上へのドアに鍵がかかっているのを確かめて(キャッツアイじゃあるまいし、こんなところから泥棒が入って来るとは思いませんが、念のためです)、階下に降りてみました。

 あれ? 明るいな?

 消したはずの廊下の電気が点いています。
 上に行ってる間に、誰か同僚が通りかかったのかも知れない。そう思って、もう一度、電気を消しました。
 見回りはまだまだ終わりません。廊下を曲がって、奥に進みました。

 ふと、背中に気配を感じました。

 振り返ると、さっき消したばかりの廊下に、電気がまた点いています。
 誰も通っていません。それは確かです。足音もしませんでした。
 もう一度、電気を消しに戻りました。
 スイッチが甘くなったりしているか、と思って目を近づけて見てみましたが、普通のスイッチです。勝手に動いたりするようなものではありません。
 今度こそ確実に押して、あたりは真っ暗闇になりました。私は廊下からそそくさと逃げるように警備室に懐中電灯を戻しに行きました。
 もしかしたら、また電気が点くのではないか、そういう疑問も心に浮かびましたが、もうそれ以上、確かめに戻るつもりはありませんでした。

 職場をあとにして、建物を振り返りました。
 廊下にはやはり……。


 木曜洋画劇場で『男はつらいよ 寅次郎紙風船』、これはまだ見たことがなかった。
 マドンナが音無美紀子で、寅さんについて回るフーテン娘が岸本加代子。まあ、こりゃどうでもいい。
 小沢昭一がワンシーンだけ出演していて、渥美清と絡むのだけれど、やっぱり芸達者同士の掛け合いってのは味があるし息は合ってるし、いいんだよなあ。これで監督が山田洋次じゃなかったらもっと面白くなってたろうに(^o^)。いや、せっかくこの二人を掛け合いさせていながら、ギャグがないのよ。
 寅さんシリーズ続けててもよかったけどさあ、やっぱり役者の使い方ってものはちゃんと考えてほしかったよね。


 『ダ・ヴィンチ』の2月号で、手塚治虫『ブラック・ジャック』の各話人気投票が行われている。
 1位はピノコ誕生編である『畸形嚢腫』。
 次いで、ブラック・ジャック初恋編の『めぐり会い』『おばあちゃん』『ときには真珠のように』『友よいずこ』『ちぢむ!!』『人生という名のSL』『ふたりの黒い医者』『えらばれたマスク』『ピノコ生きてる』、と続く。
 一目瞭然、ベストテンのほとんどが「ブラック・ジャック自身の事件」である。ピノコやドクター・キリコなど、レギュラーキャラの話を含めば、純粋に手術ものと言えるのは、『おばあちゃん』と『ちぢむ!!』だけだ。
 本来、ブラック・ジャックは物語の狂言廻しであって主役ではない。主役はあくまで各話のゲストキャラであるのだ。となれば、『ブラック・ジャック』の本質は、この人気投票全体からはあまりうかがえない。
 やはり、「内幕もの」的な「自身の事件」を除いた中の最高位である『おばあちゃん』に、このシリーズの本質を見るのが妥当のように思われる。
 単純に考えれば。


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01月16日(木)
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