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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■殺伐とした日々/『文章読本さん江』(斎藤美奈子)
 アニメーターの大塚康生氏が平成14年度の文化庁長官賞を受賞されたそうである。
 日本アニメーション史の生き証人である氏が『ルパン三世 風魔一族の陰謀』
(1987)を最後に第一線から退いて、もう随分と時間が経ってしまった。氏のホームページによれば、所属されていたテレコムを1994(平成6)年に定年退職後、近年は専ら後進の育成に励んでおられるようだが、アニメーション職人は死ぬまでアニメーター、という意識が私にはあったので、もう氏の新作が見られないというのは寂しい限りである。同じく定年でリタイアしててもおかしくない宮崎駿が未だに創作意欲の衰え一つ見せてないのにねえ。
 氏の功績を考えれば、こういう賞とか勲章の類は何10個も貰ってておかしくないのである。これまでコツコツやってた技術屋がようやく日の目を見たような印象を受けるのは、もう何十年も大塚康生ファンをやってる身からすれば噴飯ものなのだが、実際、若い人には今一つ大塚さんの業績というものが伝わってないように思えてならないのである。
 大塚さんなかりせば、今の宮崎駿だってありえないんだぞー。宮崎監督の『未来少年コナン』も、『ルパン三世 カリオストロの城』も、作画監督は大塚さんだったんだからなー。
 いや、それ以前に東映動画創世記のころは……って、こういうのがトシヨリの愚痴ってやつか(-_-;)。
 アニメ誌もこういう情報をきっかけにして、大塚さんの特集くらい組んでもいいと思うんだがな。コラム記事程度じゃ、とても大塚さんの業績はフォローしきれない。でもそんなのやってくれそうな雑誌って、今や『アニメスタイル』くらいしかないんだよなあ。……って、まだ続いてるのかなあ、あの雑誌。

 関連情報、というわけでもないが、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』のテレビ放送が来年1月24日の『金曜ロードショー』枠に決まったそうである。「視聴率40%超えを狙う」とは日本テレビ編成局のコメントだが、DVDが普及してるのにそんなに行くのかなあ、と思っててフト気づいた。
 今度の放送は「赤い」のか?
 もしかしたらそれを確かめようと、DVD買ったやつもみんな見るんじゃないかな。まさかそこまで計算してのジブリの作戦?……なんてことはないと思うが、意外とこの40%という数字、達成不可能なものではないかもしれない。
 もっとも、別に40%取ろうが取るまいが私ゃどうでもいいんだけどね。


 しげ、また具合が悪いといって送ってくれない。
 昼寝て夜寝て、どうして具合が悪くなるんだか。しげは私がプレッシャーを与えるせいだと言うが、そのプレッシャーってのは「少しは家事しろよ」って言ってることか?
 そんなん、受験浪人が塾にも通わずウチでゴロゴロしてる時に、親から「少しは勉強したらどうだ」と言われた瞬間、「うるせえな、今やろうと思ってたんだよ。イライラしてんだから声かけるんじゃねえよ!」と身勝手な屁理屈こねてるのと変わらんぞ。
 じゃあ、プレッシャーかけちゃいかんと黙ってたら、少しは何か片付けの一つでもするのか。もちろん、しげがそんなことをしたためしはない。まさしく、屁理屈こねてる甘えたガキと精神構造は同じなんである。
 ここまでになっちゃうと、充分テレビのネタとして使えそうにも思うんだが、どこか「衝撃のバカ嫁! 10年間家事一つしなかった女!」とかいうテーマで面白がって放送してくれるバラエティ番組とかないかな。せめてそれくらいのことででも家計を助けてくれないと、ホントにしげはいるだけで役立たずなんである。


 同僚がまた一人辞める。
 病気が悪化したので仕方がないのだが、実力があるのにそれをひけらかすこともなく、具合が悪くても弱音を吐かない、それでいてムリをしている様子は全くなく、飄々としていてそこにいらっしゃるだけでどこか安心できるような、そんな方だった。ずっと日記を御覧になってる方ならピンときたかもしれないが、映画ファンで、古いドラマの話や「ぶりぶりざえもん」の話題で盛りあがったことのある、あの女性である。
 「全然元気そうに見えるでしょ?」
 と屈託なく仰っていたが、本当はそうとう苦しかったのだろう。最後まで全然普通である。けれど私は返す言葉を見つけられなかった。

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12月04日(水)
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