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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■そりゃテレビは全部宣伝でしょ/DVD『ほしのこえ』/DVD『100%の女の子』/DVD『刑事コロンボ 仮面の男』ほか
サンデープロジェクトを見てたら、「北朝鮮のプロパガンダだ」とか、またなんだか鬱陶しい声がしてたので、つい目を向けてしまう。
横田めぐみさんの娘さんであるキム・ヘギョンさんへのインタビューをフジテレビが行ったことに対して、議員の人たちが怒っているらしい。
様子が分らないので、ネット検索などをしてみると、要するにヘギョンさんに涙ながらに「どうしてここに(祖父母が)来られないで、私が質問ばかり受けなくてはいけないのですか。おじいさんとおばあさんに会いたいんです。お母さんが日本人だからといって、日本には行けない」などと訴えさせたのが、北朝鮮の「仕込み」だと言うのである。
政治屋さんと我々庶民の感覚の乖離は随分感じてきたことではあるが、北朝鮮が全体主義国家である以上、中学生とは言え、その思想信条が国家に準じていることは初めからわかりきってることである。こちらからインタビューしに行って、その内容がこちらの意図したものにならなかったからといって、プロパガンダだというのはチト頭が悪過ぎないか。
常識で考えて、「お爺さんお婆さんに会いたい」「でも自分は日本に永住できない」というのは当たり前の反応である。私の母の故郷は台湾だが、だからって「おまえも台湾に永住しろ」と言われたら困る。絶対困る。来週の『プリンセスチュチュ』が見られなくなるではないか。
インタビュアーはだいたい、まだほんの子供であるヘギョンさんから何が得られると思っていたのだろうか。仮に北朝鮮が何かをヘギョンさんに「仕込んで」いたとしても、それは大局に影響するものではない。それに気付かぬフジテレビと朝日新聞もアホだが、その政治とはなんの関係もないことを北朝鮮を非難する口実にすりかえて利用しようとする日本の政治屋さんたちのイヤラシさの方が、見ていて気持ちが悪くなってくる。
いや、こう書くと北朝鮮を擁護してるみたいに取られそうなんで、付け加えておくが、ヘギョンさんは横田めぐみさんの娘ではあっても、日本人ではなく北朝鮮人なのだということを忘れてはいけない、ということなのだ。もし、彼女を日本に永住させたいということであるなら、それは彼女を日本人として「再洗脳」し、北朝鮮とは完全に断絶させ、北朝鮮をまさしく「悪の枢軸」として認識させるということになるのである。
あの国がろくでもないことはわかるし、そうしちゃイカンと言うつもりはないが、でもそこまでしてヘギョンさんを日本に連れて来たいと考えている人たちの心情というものが私には解らないのだ。もしそれが、「日本人の血がヘギョンさんに流れているから」という理由であるなら、それは下らないなあ、としか思えないのである。ヘギョンさんには異母兄弟もいるんでしょ? 父親もいるでしょ? 家族の意志を無視しておねえちゃん一人を日本に引き取ろうって、それ、「拉致」って言わない?
帰国した五人の、北朝鮮に残された子供たちの引き取り問題もあるよなあ。彼らには向こうでの生活、友達や恋人もいるかもしれないけれど、そういうのを一切無視して、つれて来ようって感じで動いてるよねえ。今度は日本がやり返すことになるわけだね。目には目を、「拉致」には「拉致」をで。ま、政治はキレイゴトですむことではないから、それがあの国に対する日本のカードとして利用されて行くことはもうどうしようもないことなのだろうけれど、「政治に正義はどこにもない」ということだけは認識しといた方がいいんじゃないかね。
読んでない本やDVDが山積してるので、ともかく見まくることにする。
まずは新海誠監督作品、DVD BOOK『ほしのこえ』。以前『アニメージュ』で巻頭特集まで組まれていた、「たった一人の手になるCGアニメーション」である。
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10月27日(日)
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