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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■トンデモさんがいっぱい/オペレッタ『マリツァ伯爵夫人』
平日だけれど、お仕事休みでゆっくり朝寝。
こないだ休日出勤した振替だからサボリじゃないよん。
ああ、三連休は気持ちがゆっくりできるなあ。
しげは昨夜、職場の飲み会とやらで、サンドイッチやら野菜炒めやらを作って持って行った。仕事が終わるのは3時過ぎなので、当然、店なんて開いていない。だもんで、それぞれか食料持ちよりってことになったんだけど、何となくピクニックみたいだよな。
帰宅して、余ったサンドイッチやらおでんやらを分けてくれたんだけど、考えてみたらこれが久しぶりのしげの手料理。いったい何ヶ月ぶりだよ。ヘタすりゃ数年食ってないんじゃないか。
しげの機嫌が随分悪いので、てっきりまだ私の東京行きのことをグズってるのかと思ったら、私がしげの留守中にゴミを出すのを忘れたのを怒ってたのだった。
「重くて運びきらんから出しといてって言っといたやん!」
「ああ、ごめん、今度出しとくよ」
「先週も疲れたとか言ってしてくれんやったやん。どうせまた忘れるっちゃろ!」
しょっちゅう物忘れしてるしげからは言われたくないセリフだ。
「忘れんからもう言うなよ」
「オレが忘れたときは怒るくせに、自分のときだけそう言うやん!」
「比較するなよ。お前が家事忘れるのは毎日で、オレはたまにやん」
「たまじゃない!」
「たまだよ」
何を夫婦でタマタマ言い合ってるのか。
昼飯は昨日の残りのカレー。
しげも食うかと二人分作っといたんだが、ちょっとしか食べてないので、まだ丸々一人分くらい残っている。せっかくしげに合わせて甘口に作ったのに。
「甘くなかったよう、辛かった」
としげは不満たらたらだが、牛乳とリンゴジュース、かなりぶちこんだぞ。そりゃ、もともと辛口なんだから、多少の辛味は口に残るだろうけれど、口当たりは悪くなかったはずだ。しげの舌、いつまで経ってもオトナにならないなあ。
ふと、思いたって、父に電話する。
写真家の天才アラーキーこと荒木経惟氏が、今、「日本人ノ顔」プロジェクトとして、「福岡の顔」500人を募集している。こないだ誕生日プレゼントを渡すのがちょっと遅れて気が引けてたので、まあ当選するかどうかはわからないけれど、応募してみる気がないかどうか、聞いてみようと思ったのだ。
事情を話すと、父、何だか照れている。
「おれ、最近、写真写り悪いったい」
最近って、そのトシで今更写真写りを気にするかね。
「それがいいっちゃない? だって荒木さんなんだから、カッコイイ写真が撮りたいわけじゃなかろうもん」
「そうやな、アラーキーだもんな」
気安くアラーキーなんて言ってるけど、オヤジ、こっそり藤田朋子写真集なんて買ってんじゃないだろうな。いや、あながち否定できないのは、父の店にも自宅にも、小向美奈子の水着カレンダーがかかっているのを私が知っているからである。
「……遺影によかろうとか考えとろう?」
「そうそう。アラーキーに撮ってもらったら記念になるやん」
相変わらず親子で縁起でもない発言をしている(^_^;)。でも父は特にいやだとは言わなかった。近々応募用紙を持って行くと約束して電話を切る。
実際には肖像権を放棄するから遺影には使えないと思うけれど、父はしょぼくれちゃいるけど年輪のあるイイ顔をしているのである。全然特別じゃない、ほかの人と何か変わってるところがあるわけじゃない、けれどこれが博多の職人の、ごくフツウの親爺の顔だからイイのだ。
応募用紙には写真を添付するから、そのへん、荒木さんが見抜いてくれると嬉しいんだが。
山本弘さんのSF秘密基地の特別会議室、ここしばらくまたもや(今度で何度目かね)荒らしにあってたのだが、結局今まで同様、レッドカードを出されてチョン、ということに相成った。
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09月27日(金)
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