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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ウチにキンチョールはない。/『ゴーストハンター ラプラスの魔』(安田均・山本弘)ほか
一日、マジメにお仕事、定時には職場を出る。
不況の中、いい御身分だねと言われることも多いが、定時に出られるように立場を作るためには失ってるものも結構あるのよ。
晩飯、もういい加減で外食はやめたいが、しげは全く食事を作らないし、結局私が家事ばかりすることになるので、それもいやだ。せめて別の店に行きたいとしげに頼む。
初め、「孫悟空」というアジア料理店に寄ってみたが、開店が6時から。
河岸を代えて「ジョリーパスタ」。ここも職場からの帰り道にあるのに、なぜかここしばらくほとんど寄ったことがなかった。……5年ぶりくらいじゃないか。しげが王将とめしや丼にだけ拘ってるせいだけど、ムリに別の店に行くと、必ず「あっちのほうがよかった」とか駄々をこねるのである。これで自分がワガママじゃないとか思ってるあたりが、しげが人間としてサイテーなとこである。
コースは千円で、ホタテのスープ、チーズの団子、サラミにサーモンにマシュマロみたいなの、アイスカフェオレ、キャラメルコーヒー、エビとサーモンのスパゲティ、イカとタラコのクリームスパゲティ。
なんだかこう並べるとえらく豪勢だな。品数が多いし、満腹もするし、どうしてしげが嫌うのか理由が分からん。
おみやげにピザも頼むが、トッピングにサービスで半熟卵がついてくる。これが帰宅して箱を開けてみると、当然のことながら殻に入ったまま。
しげ、突然「卵、アンタにやる」と言い出す。
「あれ? 半熟卵は好物じゃなかったっけ?」
「うん、好きだよ」
「じゃあ、なんだ食べんの」
「殻に入ってるから」
「……割りゃいいじゃん!」
「めんどくさいからヤだ」
呆れて絶句。ヤだって、半熟卵を割ってテイクアウトにするわけにゃいかんだろうに。グータラと言うより、大バカじゃん。いや、もうずっとバカだバカだとは思ってたけど、またバカに磨きがかかってきてるぞ。他人ならこういうバカも笑ってられるんだけど、このコバンザメ、くっついて離れないしなあ。やっぱりバカって治らないのかなあ。知性を注射できるような医療技術がありゃいいんだけど。
先日からずっと、部屋の中をコバエが飛んでいる。
見た感じではショウジョウバエみたいである。
懐かしいなあ、昔、理科の授業の宿題でハエの観察してたけど、母親が「そんな宿題があるか!」と信じてくれなくて捨てられたっけなあ。おかげで観察日記が出せなくてクラスで一人叱られたっけ。あの時の恨み忘れてないぞ、お袋。……くそ、もう死んでやがるぜ、あのアマ(←「それはダメだよぉ」by.シティボーイズ)。
いや、ハエを懐かしがってどうする。
パソコンに向かってると画面の前をチラチラ行き交うので、まさしく五月蝿い(旧暦じゃまだ5月じゃないかな)。部屋のどこぞに卵が生みつけられてるんじゃないかと思って探してたんだけど、なかなか見つけられなかった。理由は、私の家の中をご存知の方には説明不要であろう。
どんなに部屋が散らかろうと壊れようと化学実験の匂いがしようと(おいおい)平気なしげも、ついにたまりかねたか、久しぶりに台所を片付け始めた。
「排水溝から上がって来たんじゃないかなあ」とか言ってたが、結局、それらしいものはなかったそうな。
けれどもともと大雑把でガサツなしげだから、片付けたと言っても手抜きがあるのではないかと思い、ふとまな板を裏がえして見たら……。
うにょ。
うにょにょにょ。
あー、あの、子供のころ、地べたの石をめくったらそこに虫がうぞぞぞとへばりついてた光景を思い出してください。
白くて、小さなウジがうにょにょにょにょと何10匹もビッシリ……。
ええええ、洗いましたよ。大掃除しましたとも。シャレにならんぞ、これ。
……しげに家事を任せるとこうだからなあ。結局、私が掃除も洗濯も全部やらなきゃならなくなるのだ。
夜食に麻婆豆腐を作る。
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07月30日(火)
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