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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■肉は血となり肉となる/『砲神エグザクソン』5巻(園田健一)/DVD『マジンカイザー』6巻ほか
 一年中でいつの季節が嫌いかというとこれはもうまったくもって夏である。
 薄着のねーちゃんが見られるやないか、と目尻下げてるオヤジも多かろうが、私は視力がないので全然嬉しくない(あったら嬉しいんかい)。
 だいたい、夏の太陽を青春のシンボルみたいに言って、のーてんきに喜んでるのは、四季があって、世界でも最も暮らしやすい環境にいる日本人の奢りみたいなもんである。アラブじゃ灼熱の太陽なんて、悪魔の化身だぞ。日本の某食品メーカーが太陽をシンボルマークにしてたせいで、缶詰が全く売れなかったって話もあるくらいだ(ちょっと都市伝説混じってると思うが)。
 暑いと当然汗をかく。
 汗をかけば臭い。
 だから風呂に入る。
 けれど外に出ればまた汗をかく。
 臭い。
 風呂に入る。
 いくら風呂に入っても汗臭いのが取れないような気がする。
 段々イライラしてくる。
 しげも臭いし、あいつはなかなか風呂に入らないからから、ダブルで臭い。
 そのうち、腋の肉と腹の肉を殺ぎ落としたい衝動に駆られてくる。
 頭痛が痛い。目眩がする。
 むやみやたらに他人に当たりたくなる。
 本気で精神に以上を来たしそうな気がして来たので、これはヤバい、と午前中にちゃっちゃと仕事を片付けて、半日で帰宅。

 先日の検査結果を聞くために病院に行く。
 平日の昼だというのに、来院者多し。やたら待たされるうちに喉が異常に乾いてくる。大きな病院だと売店もあるしウォータークーラーもあるんだが、ここにはそんなものはないのでガマンするしかない。
 でも我慢しきれずに、看護婦さんに頼んでコップに水を汲んでもらったのだが、これも随分時間がかかった。看護婦さんたちだって飲み水は必要だろうに、すぐに出せるところに水が置いてないって、どういうことなんだ。水を出せ。出すんだ。そうやって、私を飢餓状態において苦しめて、その様子を見ながらほくそ笑んでいるのだな。だ、だれの陰謀だ。黒幕は誰だ。CIAか、スペクターか。分かったぞ、○○○○だな。あのとき○○○○○が○○○○○○したのを逆恨みして、裏で手を回したのだな。く、く、くそう、こうなったらこの病院の○○○○○を○○○○して○○○○○……。
 ……いかん、暑さのせいで本気で思考回路がショート寸前だ。せーらーむーんか。

 今日も担当はいつもの先生ではなく、院長先生。
 どうしたのかなあ、夏休みでも取ってるのかなあ。いつもの先生、すごく明るく喋ってくれるので、どんなに悪い結果聞かされても気落ちしなくてすむんだが。いや、それがなんの解決にも繋がってないことは重々承知しております。
 「……どうでしょう、血液検査の結果は」
 「よくないですね。……よくないどころじゃありません、ハッキリ言って悪いです」
 「はあ」
 「血糖値が220越えてます。コントロールができてないでしょう。運動してますか?」
 「車で通勤するようになってからはほとんど……」
 「体重も80キロを切るようにしないとね。一気に落とすのはムリだとしても、少しずつでも落とすようにしないと、危険ですよ」
 「はあ」
 「奥さんにも協力してもらって」
 あ、そりゃムリだ。まず確実に不可能。蟷螂の斧、焼け石に水、桃栗三年柿八年、ちょっと違うか。ああ、先は短い(T.T)。こうなると、定期的に入院するしかないかなあ。
 入れ代わりで診察室に入るしげ。と思ったら、ほんの数分で出てくる。
 「どうだった?」
 「ほとんど健康だって」
 「……ほとんどって、じゃあ何が悪かったんだよ」
 「『肉を食べすぎてませんか?』だって」
 何たる慧眼。ここの医者、もしかしたらすごく信用できるかもしれない。まあしげの体型を見れば一発で分かるとも言えるが。
 しげ、「何でこんなに頑丈に生んでくれたんだ」とか親を恨む発言。遠藤淑子の『エヴァンジェリン姫』シリーズのセリフを受けての発言なので、悪気はないのだが、病院で患者さんたちがいるところで口にするコトバじゃないな。


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07月29日(月)
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