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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■開高健よりは痩せてると思う/『新ゴーマニズム宣言 テロリアンナイト』11巻(小林よしのり)
台風が近づいてきているようである。
昨日までの涼しさがウソであったかのように、今日はムシムシと暑苦しい。
こういう暑い日にはちょっと女を殺したくなりませんか(c.斉木しげる)。でもそんな理由で女を殺していったら、世の中、ただでさえ女に相手にされずに寂しく自宅で美紗だの紫亜だののフィギュア片手に○○○○しているオタクは多いというのに、彼らのささやかな明日への希望の芽すら摘んでしまうことになるではないか。そんな残酷なこと、ようできまへんわ。
というわけで、今のところ女を殺してはいない。全国のモテない汚い愛想もないオタクの諸君、私に感謝したまえ。君たちのまだ見ぬ未来を支えているのは実は私の愛なのだ。
職場の女の子からいきなり「有久さんって、安部公房に似てますね」などと言われる。あまり嬉しい例えではないが、似ていると言われれば似ていなくもないかな、とは思う。それよりも今時の若い子が安部公房を知っているだけでもオドロキである。読んでるのかホントに。
「顔立ちだけじゃなくて、喋ってることとかも」などと言われたから、実際に読んではいるのだろう。それにしても若い癖に侮れないことを言うやつだ。確かに私には安部公房との共通項がある……というか私の書く戯曲が安部公房の影響を受けてるってことなんだが。
『壁』と『人間そっくり』、あるいは戯曲『ウェー 人間狩り』などは私の書く戯曲の隠しモチーフになっている。
日頃から私は、世間話的に「現実なんてあやふやなもんだ」とかナマイキなこと言ってたから、その子はたまたま安部公房の本を読んで「有久さんと同じこと言ってる!」と驚いたのだろう。ああ、でも若い子と安部公房の話ができるなんて嬉しいなあ。
で、つい悪ノリしてしまいました。
「似てるかな? でも実はもっと似てる人いるんですよ」
「え? 誰ですか?」
「この人」
偶然とは恐ろしいものである。こういう西手新九郎が現実にあるのだから。
たまたまそのとき私が持っていた本が、『裸の王様』。そこの著者の写真を見せた途端、女の子が飛びあがって驚く。
「そっくり!」
そんなに私、似てますか? 開高健に。
オーパ!
台風、鹿児島を掠るそうだとかで、福岡の方も小雨がぱらついている。
てっきり駐車場に迎えに来ていると思ってたしげの姿が見えない。昨夜も仕事から帰ってきてから寝つけなかったみたいだから、また寝過ごしているのだろう。それにしても、携帯に連絡入れても全く応答がないというのはどういうわけだ。
仕方なくタクシーで帰宅。
何度か乗せてもらった運ちゃんだったので、裏道を通ってくれて、早めに帰ることができた。私の商売は先刻ご承知の方なので、「大変ですねえ」と労ってくださる。そう、大変なんスから、これでも。
帰宅してみると、やっぱりしげは寝ている。病院の検査では、悪いところ全然なかったんだから、ホントにただのグータラだ。劇団のメンバーに向かっても威張って「全然悪いとこないって〜」と笑って言ってたしなあ。「病院行きたくない〜」って泣いてたのはどこのどいつだ。
しげが仕事に出かけた後、夜食にスパゲティを作る。
焼き肉のタレで下味をつけて、トマトソースにウィンナーを細切りにして混ぜる。本当はタマネギも混ぜたかったのだが、買ってくるのを忘れた。仕方なく長ネギのみじん切りを混ぜるが、別にヘンな味にはならなかった。ちょっと冒険だったかも。
飲みものも尽きていたので、スーパーで買ってきたパックのお茶をいろいろブレンドして、オリジナルティーを作る。麦茶に減肥茶(成分見るとハト麦茶ベース)に玄米茶にグァバ茶。
私はこのお茶を気に入っているのだが、グァバ茶を混ぜるとしげの評判が頗る悪い。
「飲んだらね、喉に奥のほうからウェーって来ると」
というのだが、わしゃ別に毒薬を調合したわけじゃないんだがな。
しげはともかく麦茶派である。私には麦茶オンリーってのはあっさりし過ぎてて喉にまるで引っかからないので、少しは苦味があった方が、と思うのだが、しげは舌がコドモなので、オトナの味がわからないのであろう。
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07月15日(月)
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