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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ある事件の記憶/DVD『アベノ橋魔法☆商店街』vol.1/『奇妙な論理T・U』(M・ガードナー)ほか
さあ、この事件も若い人にとってはとっくに風化してしまった事件だろうか。 いや、この事件だけは多分されないね。本当はしてしまったほうがいのかもしれないけれど。
神戸市で1997年(もう5年も前かよ)に起きた連続児童殺傷事件の犯人、自称酒鬼薔薇聖斗の中等少年院の収容期間が2004年まで継続されることが決められたとのニュース。
中等少年院は原則20歳未満を対象としているため、本当なら酒鬼薔薇は来年4月に20歳9か月で出所する予定だったが、さらに1年半以上も大幅に延長されたことになる。
「異常性の際立った少年犯罪に対し、司法の判断も極めて異例となった」と記事にあるけれど、そこまで「異例」を通すならいっそのこと、実質終身刑にしてしまえばいいのにと思うんだけど、そこまではできないんだろうね、加害者の「人権」に配慮するとかの理由で。
でもなあ、本当にそれでいいのかねえ。どうせマスコミは酒鬼薔薇が出所したら、そのこと報道するんでしょ? そりゃ名前や顔写真、どこに住むことになるかとか、個人情報は出さないかもしれない。でも「出所した」って事実だけは報道するつもりでしょ? だって、今回も「何年後に出所する予定」ってこと、事件が「風化しないように」わざわざ知らせてくれてるんだから。
あのさ、マスコミさんや、あんたら、国民が怯えるの面白がってるだろ?
私は「出所しても酒鬼薔薇がまた犯罪を起こすのではないか」という心配はあまりしていない。通り魔なんていつでもどこでも出るもんだよ。明日、我々は別の通り魔に襲われるかもしれないわけだよ? 酒鬼薔薇一人を恐怖したってしかたないじゃん。道端でウンコ座りしてるヤンキーの兄ちゃんたちの側通る方がよっぽど怖いわ。
なのにマスコミさんはいちいち知らせてくれるよねえ。彼だけがあたかも危険であるかのように、不安を煽ってくれるよねえ。後始末もようせんくせに。
で、あとを引き継ぐのはネットの仕事だ。酒鬼薔薇が出所した途端、ウソもマコトもいっしょくたで彼の個人情報が出回ることは目に見えている。名前をどう変えたか、何の仕事についたか、今どこに住んでいるか。人の口に戸は立てられないのだ。
ネットにそこまでの力があるか、という疑問を持つ人は、2ちゃんねるが堂々と存在している現在、もうあまりいないと思う。
はっきり言って、酒鬼薔薇の本名も顔写真も、既に相当ネットで出回っちゃってる。この期に及んで酒鬼薔薇に社会復帰が可能だと考えるのは甘すぎるのではないか。
しかももう一つヤバいなあ、と思うのは、巷に溢れる情報には相当数、ガセも混じってるだろうってことだ。私もかつて、酒鬼薔薇の写真を見たことがあるけれども、ホントにどこにでもいそうな顔なんだよ、これが。こいつに間違われそうなやつ、知り合いで少なくとも5人はいるよ。
数年経って、出所した時の彼の顔は当然成長して変わっているだろう。となると、もと「酒鬼薔薇」に擬せられてしまう人間は、恐らく今以上に続出するのではないか。
新聞やテレビがさ、情報を伝えるのが使命だって考えてるのは分るよ。けど、いつもいつもニュースは垂れ流しで、その後のことなんてなにも考えてないじゃんか。
酒鬼薔薇の更正を誰もが信じられるほどにこの社会が成熟しているならばともかくも、それは期待薄だろう。だとすれば、マスコミがやってることは、「情報による恐怖政治」、ヒトラーのユダヤ謀略論と何ら変わるところがない。
こうなると私ゃ、酒鬼薔薇が出所してきてまた犯罪を起こすんじゃないかって心配より、誰かが疑心暗鬼になって、酒鬼薔薇自身を殺しゃしないか、あるいは全く関係のない人間が酒鬼薔薇と疑われて誰かに殺されやしないかなんてことまで心配しちゃうよ。
と、これでも誤解を招きそうなので補足すれば、私は酒鬼薔薇の身を心配してるんじゃなくて、どんな形であれ、あの事件がきっかけとなって、再び「殺人」なんて事件が起こること自体を避けてほしいと願ってるのよ。
そこまで考えてるか? 司法。
法律改正が間に合わなくて、どうしても出所させなきゃならないとすれば、社会不安を解消するための手段、今から考えておかなきゃならんのじゃないか?
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07月12日(金)
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