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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■悪態つくのは照れ隠し/『おしのび倶楽部』(横山えいじ)ほか
 朝、10時ごろ、父から電話。
 ちょうど仕事が空いたので、しげの散髪をしてやろうとのこと。
 もともと今夜は、父の日ということで一緒に食事をする予定にしていた。しげが、「ピアノの生演奏を聞きながらステーキが食べられる店」というのをワザワザ予約して、この日に備えていたのである。
 ホントは、夕方5時頃に、店でしげを散髪してもらうように約束していたのだが、もしかして夕方、客がたて込んで忙しくなるかも、と気を遣ってくれたのだ。
 本来第三日曜は姉の店は休日なのである。
 なのに今日もしっかり開店しているのは、冗談ではなく、休日も営業しないことにはやっていけないということらしい。客商売の浮き沈みはとことん激しいのだ。
 早目に出かけるのに私の方は否やもないが、あいにく肝心のしげがまだ寝ている(-_-;)。休日となるホントにとことん寝やがる。
 寝てて起きないから、昼ごろになると思う、と伝えて、あとはしげの覚醒待ち。20時間くらい軽く寝るときもあるやつなので、果たして昼までに起きられるか、と懸念していたが、幸い、ちょうど12時にトイレに起きてくる。しげを早く起こすためには、寝る前に水分をたっぷり取らせておく必要があるのかも。

 しげを散髪してもらったあと、一旦ウチに帰って昼寝。
 DVDで『ラヂオの時間』を見返す。舞台版より面白くなっているところもあるが、減っているのもあるので、評価はトントンというところか。
 ちょうど見終わろうかというあたりで、父から再度電話。
 仕事が忙しくて、約束の時間に間にあわないとのこと。だったら慌ててでかけることもないかと思い、ゆっくりしていたら、今度はしげが「まだ出掛けんと!?」とやきもきし始める。
 「遅れるって言ってたから、時間ちょうどに出掛けりゃ間に合うよ」
 「そう言っといて、時間通りに来たらどうするん!」
 あまりうるさく言うので、仕方なく腰を上げる。……けど、こういう時の女のカンというものは当たるようになっているのだろうか。「遅れる」と言っていた父と姉、ちょうど私たちと同じ時間、8時ぴったりに予約していた店に自転車で来ていた。
 私の顔を見るなり、「時間より早目に来とかんや!」
 と、父に怒鳴られる。
 しげは「ほら見てん」と勝ち誇ったよう。でも時間に遅れたわけじゃなし、なんでこうも悪し様に言われなきゃならんのだ。

 ピアノ演奏は10分程度の間を置いて、数曲ずつ、やはり10分程度演奏される。
 ピアニストの方の物腰が柔らかいので、父は「あれ、女か?」とシツレイなことを言う。田舎オヤジはこれだから(^_^;)。
 でも確かに、ちょっとアレ入ってる感じはあった。姉がまた、ワザワザ手首をくねらせて、おかまポーズを取って見せるものだから、こちらはピアニストの方に気付かれやしないかとヒヤヒヤもの。どうしてこう、オヤジ世代は無遠慮なんだか。
 明りが暗い、とか、童謡ばっかり演奏してる、とか、父、自分が招待されてる立場なのに文句をつける。
 普通、こういうところの明りが煌々としてたら、ムードもへったくれもないと思うのだが。例えば、店に来たカップルは、暗いからこそ、必然的に顔を近づけあって喋ることになり、そこでまあ、何やかやと気分が盛り上がって、次は二人っきりになれる場所へ……となるのである。
 もっとも父とムードが盛りあがったってしょうがないのだが。
 演奏だって、その日その日でいろんな曲を弾いているんだろう。たまたま今日が童謡が多かった(厳密に言えば唱歌ばかり)ってだけの話だ。『早春譜』とか、そんなのね。
 これって、いちいち文句の付けるほどのことじゃないよな。昔から父は、どーでもいいことに細かいのである。
 コース料理はまあ、こんなもの。出された酒が美味しいと、これは父も気に入ったよう。最後に「ありがとうね」と言ってたから、まあ、満足してもらえたのだろう。
 姉が「自分の分は払う」というのを断って、全額四人分払う。このときのためにナケナシの金を取っておいたのだが、これでまたしばらくは食事も切り詰めた生活を続けなけりゃならない。少しは計画性を持たなきゃなあ……って、できたためしもないことを夢想(^_^;)。

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06月16日(日)
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