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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■サヨナラを言いたくない人/『真・無責任艦長タイラー外伝 LOVE&WAR』(吉岡平・森小太郎)ほか
風邪、悪化の一途を辿る。
朝からかかりつけの病院で見てもらい、薬を貰う。
そのまま帰って眠ってりゃいいのだが、しげに『エボリューション』のDVDを買ってやらなきゃならないので、ふらつきながら天神ベストのLIMBへ。
その後ジュンク堂に回って買い損なってたマンガ本など買う。
そのあたりで体力が尽きたので、他にはどこにも寄らず、真っ直ぐ帰る。
新聞を開いてギョッとして、思わずしげに向かって怒鳴る。
「……おい、伊藤俊人さん、亡くなったよ!」
日頃はヒトの生き死になどに一顧だにせぬ冷血漢のしげも、このときばかりは「え? なんで?」と目を丸くして聞いてくる。
「クモ膜下出血だよ。生で見たことある人が亡くなると、さすがに信じられないって気になるなあ」
「いつ見たん?」
「おまえも一緒に芝居見たろうが! 『君となら』!」
実のところ、「生で見たから」だけでなく、伊藤さんには同年代の俳優として、すごく期待していた。だからなおのことその死がショックだったのだ。
伊藤俊人(いとう・としひと)氏、24日午後5時18分、くも膜下出血のため死去、享年40。
劇団・東京サンシャインボーイズ結成以来の畏友、三谷幸喜氏とは同い年だから、私より一つ年上だ。
初めて伊藤氏の演技に接したのは、テレビの舞台中継『ラヂオの時間』でのコメディアンの役だった。映画版では井上順が同じ役を演じていたが、はっきり言って舞台版の伊藤さんのほうがよっぽど溌剌としていてキレもよかった。
『ショウ・マスト・ゴー・オン』で東京サンシャインボーイズの舞台活動が休止した後も、舞台『君となら』やテレビ『古畑任三郎』など、三谷幸喜作品に引き続き出演していたのは、やはり伊藤さんのねずみ男的な、底意地は悪いけれど実は小心者、といったキャラクターが光っていたからだと思う。
『ショムニ』の演技は東宝サラリーマン映画を髣髴とさせていて、伊藤さんの「これから」を期待していたものだったのに。
日記には書かなかったけれど、つい二、三日前、なんの気なしに舞台『ショー・マスト・ゴー・オン』のビデオを見返したばかりだった。
伊藤さんの役は準主役で、主役の西村雅彦の舞台監督の下でソツなく立ち回りはするけど、肝心なところで大ポカをやらかす裏方の役である。
座長役の佐藤B作から、「一回くらい、ちゃんとした舞台を作ってやろうとは思わないのか!」と叱られてうなだれる。多分この思いは、三谷さん、西村さん、伊藤さんを始め、東京サンシャインボーイズの、いや、劇団関係者ならみな一様に感じることではなかっただろうか。
「もうおトシだから仕方ないかな」という人が亡くなったわけではない。
本当に「これから」の人が亡くなってしまったのだ。
役者が育ちにくい、評価されにくい現代で、バイプレイヤーとしてしっかり地歩を固めてほしい人だった。
ここしばらくの物故者の中でも、一番やりきれなさが残る。
後はひたすらテレビも見ずに寝る。
でも漫画だけはとりあえず読む(^_^;)。
マンガ、和田慎二『ピグマリオ』11・12巻(完結/メディアファクトリー・910円)。
……あー、あまり感想書いてもしょーがないかなーって気がして来たな。
つじつま合わせのムリヤリな展開と言い、どこかで借りてきたようなイメージの羅列と言い、なんだかなあ、と思いながら最後まで読んできたんだけど、意外性も感動もないデタラメなラストだったなあ、正直な話。
作者本人はアレで満足してるらしいけど(-_-;)。
11巻で死んだオリエが12巻で復活してめでたしめでたしって……安易にもホドがあるんじゃない? 第一、オリエが死ぬのを予言したのも大地の女神ユリアナで復活させたのもユリアナじゃん。予言の意味を自分で無効にしてどうする。そこに何の矛盾も感じないのか? 和田慎二。
そんなテキトーな展開でいいんだったら、どうしてマリウスやシルヴァーナだけ復活させないんだよ。演出上、キャラクターを殺さなきゃならない場合があるのは当然のことだけれど、
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05月25日(土)
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