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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■もっとギャグを!/『蛇神さまといっしょ』2巻(桑田乃梨子)ほか
『少年マガジン』のグラビア担当の編集者二人が大麻不法所持で捕まったんだと。ああ、マガジンに赤塚不二夫が健在だったら、もう、鬼の首でも取ったかのようにマンガの中にその編集者を登場させて、「大麻ギャグ」を一本上げただろうになあ。
そういうギャグは不謹慎だと眉を顰める方もいらっしゃるだろうが、それができるってことも講談社に自浄作用があるってことだから、ここはあえて誰かに描かせるという裁量があったっていいんだけど、まあそんなことする余裕はないのだろうね。作家の方もカイシャをからかって首切られたりされちゃかなわんと保身をまず第一に考えるだろうし。
そのことを考えると、かつての赤塚不二夫がいかに破天荒な存在だったかってことがわかろうってものなんである。
『天才バカボン』、読んでた当初はあまり気がつかなかったけど、随分カイシャ自体から叩かれてたんだろうなあ。それでも連載が続いてたってのは、やはりどんなに叩かれても、赤塚不二夫が赤塚不二夫としてのステイタスを確立していたから、切るに切れなかったってことなんだろう。
権威に対抗するにはマンガ家の方も何がしかの権威になるしかない。
どんなに過激なギャグを飛ばそうと、本人が新人だったり、ウダツが上がらなかったりすると、権威の逆鱗に触れた途端に、切られるし干されてしまう。社会はやっぱり一律の見方しかしたがらないから、「ギャグ」だの「SF」だのといった、既成の概念を破壊するものは基本的に認めたくないのだ。
結果的に、今はギャグマンガ家にも権威に対抗できるだけの「大家」がいなくなってしまっている。それが現在の「ギャグ不毛の時代」につながってるってことなのだろうが、それって結局、漫画業界の人たちが自分で自分の首を締める結果になっちゃうよ。それでいいのか?
山本弘さんのHP「SF秘密基地」の『空想科学読本』関係・特別会議室で、あるトンデモさんについに怒りを発した山本さん、サイトへの出入り禁止を宣言した。
このトンデモさん、BBSを読む限り、本当に日本語の文脈が読めない人で、ほかの方々の指摘を全く理解できていない。
話題になっているのは、映画『2001年宇宙の旅』での「磁力靴」の表記が誤訳であり、そのことに『空想科学読本』の柳田理科雄さんが気付かないでいる、という山本さんの指摘についてなんだけれど、この方、「磁力靴は作ることが可能なのではないか?」と、的外れなレスを再三付けてきていたのだ。
……いやね、磁力靴を作ることが可能だろうが、そんなことを問題にしたって、山本さんへの批判にはならないんですけど……と、山本さん以外の方々も、みなさん揃ってその方に説明するのだが、「私は磁力靴が作れることを問題にしたいだけなんだ!」と聞く耳持たない。
これだけでも充分トンデモさんなのだが、この方、『こんなにヘンだよ『空想科学読本』』の元ネタ本である柳田理科雄の『空想科学読本』も読んでおらず、それどころか論議の対象になっている『2001年宇宙の旅』すら見ていないのだ。御本人の弁によれば「引用文読むだけで充分」ということらしいけれど、もう根本的に「批評」の原則を知らないとしか言いようがない。
「メールも送るな」「自分の本も読むな」という山本さんのコトバはいささかキツイように思えるかもしれないが、そりゃ、トンデモさんに関わったことがない人の感想であろう。相手の理解能力が著しく低い場合には、これくらいキツイコトバを使わなければこちらの意図は通じないのである(つーか、通じなかろうと、「絶縁」を宣言するならこれくらいのコトバを使用せざるを得ない)。
もっとも、以前も書いたが、必然的にトンデモさんが寄ってくるようなサイトを開いたこと自体、これは山本さんが覚悟しておかなければならない事態であったとは思うのだ。世の中、話し合えばなんとかなる人間ばかりで構成されてはいない。作家のみなさんって、ご自身のネームバリューを過小評価しているところがあるから、トンデモさんまでウヨウヨ寄ってくるとは思ってないんだろうなあ。
さて、第二、第三のトンデモさん、「秘密基地」に既に現れつつあるような気配もあり、山本さんが疲れ果ててサイトを閉じるようなことがないよう、祈るばかりである。
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05月20日(月)
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