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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■懐かしき人々の狂乱
きれいに晴れ渡った空。
公演日和、なんて言葉はないが、雨に祟られた去年に比べれば、格段にツイている。問題はお客さんが来てくれたとしてもそれに見合うだけの芝居を見せられるかどうかだが。
しげとよしひと嬢、昨日も余りよく寝てないだろうに、朝から会場のぽんプラザへ。今回、会場とムチャクチャトラブルがあったとかいう話で、しげもよしひと嬢も朝っぱらから機嫌が悪い。ストレス溜まるのは分るけれど、それをうまく回避してこその劇団運営である。話を聞く限り、みんな揃ってアチラに手玉に取られている感じで、情けないったらない。
しげは私に「アンタを交渉に行かせればよかったかな。クレーマーだし」とかこきゃあがるが、私ゃ趣味でクレームつけたりゃしないぞ。
例えば、修理に出したビデオデッキの故障が直ってなかったり、郵便物が時間指定通りに届かなかったら、文句言うのは当然だろう。文句をつけなかったら、代金だけ取られてデッキは壊れたままだし、郵便物は送り主に送り返されてしまうじゃないか。
今回、会館の受付がきちんと説明をしてないために、一部機材などを使うのに支障を来たしたというのだけれど、みんな唯々諾々と会館の理不尽に対してペコペコ頭下げてるのな(--#)。
……いや、頭を下げることが悪いとは言わない。
相手がアタマ下げただけで上機嫌になる程度のお寒いメンタリティしか持ち合わせてないってんなら、それも一つの方法だ。話を聞く限り、所詮はお役所仕事しかできない、経営者として使い手の便宜とか、図ってやろうなんて当たり前の対応すらできないやつららしいし。そんなのといちいちケンカしたってなあ、と判断したのも分らなくはない。
アチラにもどこの馬の骨かわからない劇団に会場を貸したくはないっていうのはあるんだろうな。以前ホリゾントに穴をあけられたって話だから。
けど、それをやったのウチじゃないんだぞ。
そこで、ハイそうですか、と納得したら、ウチもそんな唐変木と同レベルだって自分で認めたことになるんだぞ。それでいいのか。
せめて「負けて勝つ」くらいのことは考えてもいいんじゃないか。「負けて負けて」どうするかね。
私はこうたろう君を迎えるために、福岡空港へ出発。
地下鉄の駅を上がって、到着口まで、100メートルは歩く。……長いよ。
スカイマークで11時10分に到着とのことだったが、5分ほど遅れる。
去年、私が東京に行った時には天候不順とかで1時間くらい遅れたのだけれど、今回は理由が解らない。案内嬢さんに「何か事故でも?」と問い合わせた途端に飛行機到着のランプが掲示板に点る。
ほどなくこうたろう君が降りてくるが、荷物がない。
「手ぶら?」
「ああ、今日は土産はないよ」
誰も要求しとらんわ(^_^;)。……って、前回東京に行ったとき、こうたろう君からはたっぷり土産を頂いているので、ここで更に土産を期待したりしたら、それこそ人でなしと言うものであろう。
公演にはしばらく間があるので、それまで博多の町をこうたろう君を連れてムリヤリ観光。と言っても、あまり会場から遠くへ行くわけにはいかない。
まずは腹ごしらえと、博多駅で降りてキャナルシティへ回るが、アテにしていたラーメンスタジアム、どこも行列状態。
仕方なく、食事は川端に回ってしようと、コンコースを辿る。実はその途中に今回の公演会場の「ぽんプラザ」がある。
「『ぽんプラザ』って、ヘンな名前だと思ったら、水道局だから『ポンプ』ラザなのか!」
こうたろう君、驚くと言うより笑っている。確かに、お世辞でもセンスのいいネーミングとは言えない。まあ、役所にとんがったセンスを求めても仕方ないけどね。ダサイくらいがちょうどよいのだが、演劇の会場としてはまるで似合わない。ちょっと中を覗いてみても、全くの「公共施設」なんだもの。
けれど、どういうわけか、表のどこにもチラシが貼ってない。これじゃここで公演があるって分らないのじゃないか。
「せっかくだから、みんなの様子、覗いてみる?」
私が口にする前に、こうたろう君に誘われて、会場の4階に上がる。
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05月12日(日)
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