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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■くましげ。/DVD『紅の豚』(フランス語版)ほか
今朝もしげは体調が悪い。
特に今日は早朝出勤なので、しげの回復を待って、というわけにはいかない。
「病院行くか?」
「うん」
「必ず行っとけよ」
「うん」
「ちんぴょろすぽーん」
「うん」
……だめだ。完全な生返事。
つーわけで今日もタクシー出勤。
私が利用してるタクシー会社は一軒だけなので、電話を掛ければすぐ飛んで来てはくれるのだが、一応、私はそこまで歩いて行くことにしている。バス停ひとつ分程度の距離でしかないが、その程度でも運動になるか、というのと、1区間だけでもタクシー料金、節約したいというセコイ算段からである。
しかしなあ、ほんのしばらくタクシー利用しないでいたら、運転手さん、のきなみ入れ代わっちゃってるのな。
昨日も今日も、以前乗っけてくれた人とは全くの別人。しかもトシがいってるわりには道をまるで知らない。やっぱりこの不況で、リストラされたり定年退職したりした人が、とりあえず運転免許はあるから、ということでタクシー会社に就職してるケースが多いんだろうなあ。
一応、社内研修くらいはしてるんだろうけど、職場がドイナカにあるもので、キチンと道順を説明しないととんでもなく遠回りされちゃうのである。
以前はナジミの運転手さんもいたので、説明の必要がなくてラクだったんだけど、新しい人となると、「右へ行ってください」「そこはまっすぐ、山を突っ切って」とか、やたら細かく指示を出さないといけない。タクシーに乗ることの楽しみのひとつに、運転手さんとの会話があるが(メイワクなこともあるけど)、そんなもんしてるヒマもない。
ああ、つまらん。
しげのことが心配だったので、少し早めに4時ごろに帰宅。
けれど、どの部屋にもしげの姿がない。
ちゃんと病院に行ったのか、と思って、携帯に連絡を入れる。
「あ、しげ? 今どこ?」
「会館との打ち合わせだよ」
「あ、公演の? 病院には行ったの?」
「ううん、行ってない」
「なんでだよ。具合悪いんじゃなかったのかよ」
「ああ、寝たら治った」
……ただの寝不足かあああああ!
しげのことを心配したところで全ては徒労に終わる、ということはこれまでも何度も経験していたことだったのに、また騙されたか。
やっぱり、須らく、夫というものは、たとえ妻が泣こうが喚こうが縋りつこうが、「ええい離しやがれ、今月今夜のこの月、覚えたか!」と朴歯の高下駄で足蹴にして高利貸しになるくらいの気概があって然るべきなのであろう(←これくらいのギャグは解説不要だと思うんだけれど、この程度の常識でも分らないやつ、増えてるのかなあ)。
疲れてるのはどうやら自分のほうだったらしくて、横になった途端、そのままグウ、と眠ってしまう。目が覚めたのは、打ち合わせが終わったしげからの電話のコール音で。え〜と、時間は6時? 寝てたのは2時間程度か。からだの疲れが充分に取れたとは言えない。
食事を作る元気が起きないので、「めしや丼」で夕食。
なんか、ここ数日、マジでカラダの機能が落ちとるな。週末は二泊三日の東京行きだというのに持つのか、私。
新メニューで鶏鍋みたいなのがあるのでそれを注文。カレーもほしかったので頼むが、合わせるとご飯の量が多すぎる。
いつもはしげの残したのを私が食べる手順になってたが、今日は逆で、私のご飯の余りをしげが食べる。もちろん、しげはしげで既にチキン南蛮定食を平らげたあとなのだが。
「でぶが炭水化物ばかり食ってんじゃねえ」というのは唐沢なをき師匠の名言だが、ウチの玄関に筆で大書してハリガミしておこうか。いや、自戒の念も込めてね(^_^;)。
しかし明るい店の中でしげの顔を見ると、やはり顔色は相当に悪い。
何しろ、「もともと太っているしげの顔がやつれて見える」のである。
目の下にクマも黒々とあるし、本当なら食事のあと、東京行きの準備のためにいろいろ買い物をしようと思っていたのだが、顔色を見る限りちょっとムリそうな気配である。
今日は準備は諦めて、明日に伸ばすことにする。
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04月23日(火)
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