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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■全国の○○はみなアホか?/『てけてけマイハート』2巻(竹本泉)ほか
 いつものように、朝方、しげに車で職場まで送ってもらおうと思ったのだけれど、「ごめん、からだがキツクて動かん」というので、仕方なく久しぶりのタクシー通勤。
 時間に余裕のあるうちに出かけはしたが、運ちゃんが道をちゃんと辿ってくれるかどうか心配で落ちつけない。時間はかかるけれど、やはりしげに送ってもらうのが一番気がラクだ。
 

 ある事情のために、職場について悪口を書くことは極力避けてきた。
 今回も私がどういう職種の人間であるかとか、何という会社に勤めているかとか、そんなことを書くつもりはない。その事情を察していただいた上で読んでいただければ幸いである。

 かつて、プロ野球の某球団に「ベンチがアホやから」と嘯いたピッチャーがいた。ベンチの指示に従った結果、打たれて敗戦投手となった時の弁であったと記憶する。実際、それが酒の席で愚痴のような形で発せられたのであれば、たいしてマスコミを騒がせることにもならなかったと思う。
 しかし、その発言は試合の敗戦後、まさしく「ベンチ」で発せられた。そこにいた誰もが彼の発言を耳にしていた。問題にならざるを得ない。結果、そのピッチャーは「解雇」された。
 しかし、「問題」が加熱したのは実はその後だ。
 そのピッチャーは、決して無能なわけではなかった。
 彼の「ベンチはアホ」という指摘が、愚痴ではなく、紛れもない事実であった、と大衆がそう思ったことが「問題」を拡大化させたのだ。
 組織の中の一員としてある以上、「どれだけの責任を果たした上でモノを言っているのか」ってことは当然、糾弾されることではある。しかし、負けが混んで来た球団が、その責をそのピッチャーに押しつけた、あるいは、以前からトラブルの火種となりそうだったその投手を始末したがっていたのを、「過激発言」をきっかけにこれ幸いと首切りした。大衆はそう捉えたのだ。
 「組織の論理」のみが優先され、大衆がプロ野球に本来期待していたものが無視された。だから客はその球団に本気で怒ったのだ。プロ野球界のそういった「組織」の裏事情がどんどん暴露されていった時期のことで、そのころから私は殆ど野球の試合を見なくなっている。
 特に結婚して以来のこの十年は、テレビで野球中継にチャンネルを合わせたことは一度もない(知り合いとの付き合いで実際に球場に出かけ、応援したことはあるが、そのときは徹頭徹尾「演技」を通した。……自分でも「優秀な」役者だと思う)。

 不況である。
 ここ数年、ウチの職場では、全社員が給料カットの憂き目にあってはいたが、ともかく事情が事情だけにガマンしていた。
 「給料をモトに戻す」。その発表があったのがつい先日だ。
 まあ、微々たる増額ではあるが、うれしくないわけではない。ところが、ここへ来て、幹部連中は「社員全員」に対して、勤務内容の15%アップ、更には10%の無償労働の増加(要するに残業してタダバタラキしろってこと)を通告して来たのだ。
 あのさ、給料がモトに戻ったって言ってもさ、それって、月に七千円弱なんだよね。それが、これだけの労働の増加に見合うと、そして社員がそれに唯々諾々と従うとでも思ってるのかね?
 もちろん、そうは思ってないから、いや〜ないや〜なカードをちらつかせてくるのである。幹部連中、従わない者は「解雇」……とまでは言わないが、部署転換くらいのことはあるかも、だと。
 反発覚悟の上でそこまでやらなきゃならないほど、ウチはビンボーなのか。そうではない。まず確実に、ウチはいろんなとこといろんな癒着があるのだ(えいくそ、マジで実名挙げたくなるぜ)。だから無理無体な経営方針をも、その「いろんなとこ」の利益のために強行しようとしているのだ。
 この腐れた根性でウチの職場は経営されてる。「ベンチがアホやから」どころの話ではない。幹部連はクズとゲスと外道の集団である。
 既に沈む船からネズミが逃げるがごとく、ウチの職場を離れていこうとしている人もいる。
 さて、私もいずれそうすべきかどうか。

 そのあたりをやりあった腐れた会議が長引いたため、またもやしげを駐車場に待たせてしまう。
 朝方、具合が悪そうだったしげ、夕方になっても具合が悪そう。

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04月22日(月)
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