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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■つっよいっぞガ〜メ〜ラ〜/『モーツァルトは子守唄を歌わない』2巻(森雅裕・有栖川るい)ほか
 今朝の新聞記事より。
 『ジュラシック・パーク』と安達祐実で有名な(^o^)暴君竜(昔ながらの恐竜ファンにはこの通称じゃなくちゃねえ)ティラノサウルスが、実は走ることができなかった、とする分析結果が『ネイチャー』に発表されたとか。
 要するに6トンと試算される全体重を支えて走るだけの脚の筋肉がなかったということなんだな。
 『ネイチャー』に載る論文は必ずしもマトモなものばかりでなく、トンデモ系のやつも多いって話を聞いたことあるけど、記事を見る限り、これはまあ信頼できる研究結果じゃないのかな。
 少なくとも、その「証明方法」が、科学にゃドシロウトの我々にもわかりやすい、ごく簡単なリクツで説明されてるからだ。

 今回の研究の中心になったのは、カリフォルニア大学バークリー校の大学院生、ジョン・ハッチンソンという人だそうだ。
 骨格や筋肉と動きの研究をもとに、動物が走るために必要な脚の伸縮筋の量を計算するモデルを作ったところ、ワニは片脚につき体重の7.7%以上の筋肉が必要だが、実際にはその筋肉が3.6%しかなく、結果として走ることができない。それに比べて、ニワトリは4.7%の筋肉が必要であるのに対して実際には8.8%あり、走ることができる、というように実際の事例とよく適合したんだと。
 ところが、これをティラノサウルスに当てはめると、片脚につき体重の43%、両脚では86%の筋肉が必要になってしまう。全身の86%を脚の筋肉が占めるなんてことはまずありえないわな。筋肉大移動でもせんかぎり(c.『3年奇面組』)。走れて時速40キロが限度なんだと。
 んじゃ、走れなかったら草食恐竜捕まえて食えないじゃん、ということになりそうだが、他の恐竜たちはもっと遅いので大丈夫なんだそうな(^o^)。

 しかし、そうなるとだよ、これまで「Tレックスは時速70キロで走れた」って言ってた科学者たちは、何を根拠にンなこと言ってたんだろうね?
 いや、昔から「恐竜は自重を支えきれなかったから滅んだ」って説は結構耳にしてたぞ。あえてそういう説も無視して恐竜を「走らせた」のは誰のどういう思惑があってのことなんだろうか。
 昔は直立型が多かった恐竜の骨格標本、あれがいつの間にやら、例の尻尾でバランスを取るような前傾姿勢に変えられて行ったのも、その方が「走るのに適している」と判断されたからだろう。更に言えば「恐竜恒温動物説」だってそうだ。
 まあ、恐竜の姿勢は他の動物との骨格の比較から考えても、まだ前傾姿勢のほうが自然かもしれないが、「恐竜が走れなかった」とすれば少なくとも「恒温動物説」は揺らいじゃうんじゃないか。ましてや「羽毛があった」とする説に至っては。

 私ゃ文系ど真ん中の人間だから、理系の人たちに対して多少失礼な憶測をしているのかもしれないけどね、科学者が本当に「論理的な思考の持ち主」かっていうと、違うんじゃないかなあって思うこと多いんだよね。大槻教授見ててもそう思うし。タトエが悪いか。
 けれど実感として思うのだ、私は高校時代、体重は58キロだったが今は8×キロだ。……マジで、体動かくなってるんだよ〜(T∇T)。
 ましてや恐竜だ。
 私のイメージの中には、もともと素早く走る恐竜ってのが全然イメージに無かった。『ジュラシック・パーク』を最初に見たときも、あのティラノの「素早さ」が、まったく「重量感」を感じさせてくれなかったから、幻滅してたのだ。どこがリアルなんだよ、この非現実的な特撮がって思ってて。
 思うに、科学者たちはある意味、文系の人間よりもよっぽどロマンチストなところがあるのじゃなかろうか。やっぱり、ティラノには猛スピードで疾駆してほしい、そういう「願望」が、現実を見ることから目を背けさせてる面がなかったかどうか。例のピルトダウン原人騒動だって、その「願望」で目が曇ってさえいなけりゃ、ドーソンの死亡以前にあの頭蓋骨がニセモノだって気付かれてたんじゃないかな。近くはわが国での旧石器捏造事件だってそうだ。

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02月28日(木)
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