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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だめおんなず・うぉ〜か〜/『ネコの王』2巻(小野敏洋)ほか
咳が出て止まらなくなり、仕事を休む。
こないだ「もう仕事休まないぞ!」と決心したのにこの始末だ。
ゆっくり横になって休みたかったが、しげがベッドを占領して、イビキをかいているので横にもなれない。
ウチには奥にも寝室があって、そっちで寝られりゃいいのだが、しげが片付けないままでほったらかしてる本の山にフトンがつぶされてて、寝るに寝られない状況なのだ。本は枕元に置きっぱなしにするなと口を酸っぱくして言ってたのに、それを無視されつづけた結果である。
仕方なく、パソコンの椅子によっかかって休むが、関節が咳をするたびに軋む。気分はさらに落ち込み、どうして家事一つしない妻にベッドを占領されたまま、私がこんなに苦しまなきゃならんのだと、その理不尽さを考えるにつけ、ますます頭痛が激しくなる。
そんなに寝てたいなら、車で寝ろ。
今晩から「BSマンガ夜話」。
ラインナップは以下の通り。
1、2月26日(火) 午前0:10〜『アイランド』尹仁完作・梁慶一画
ゲスト/キム・スンヒョン、村上知彦
2、2月27日(水) 午前0:05〜『青の6号』小澤さとる
ゲスト/大槻ケンヂ
3、2月28日(木) 午前0:05〜『課長 島耕作』弘兼憲史
ゲスト/夢枕獏、北野誠
4、3月1日(金) 午前0:10〜『おいしい関係』槇村さとる
ゲスト/一条ゆかり
基本的にこの番組は、私は「自分が読んだことある」マンガを扱った回しか見ないようにしている。
となると、今回私が見られるのは『青の6号』だけってことになっちゃうのだが、今日の第1回の『アイランド』、多分『新暗行御史」にも触れるだろうな、と思って録画することにする。
予想通り、『アイランド』と『御史』を比較対照するような形でトークは進んで行く。
『アイランド』は未読なので、意見をさしはさむわけにはいかないが、みなさんのお話によれば、完全に日本のマンガと化した『御史』より、韓国で連載されていた『アイランド』の方がパワーはあるとか。
いわゆる絵の技術も向上していて、きちっとした完成度を持っている『御史』よりも、なんだかわかんないし矛盾だらけだけど、勢いがある『アイランド』の方が「マンガとしてオモシロイ」と言いたいのだろう。
リクツとしてわかりはするし、まさしく昭和40年代の「デタラメなマンガ群」に郷愁を感じる身とすれば、諸手をあげて賛成したいところだけれど、同時に「洗練された作品」ってのもやっぱりなきゃいかんよなあ、とも思うのだ。
手塚治虫や石森章太郎は、当時としてはすばらしく「スマート」な作風だったのだ。彼らがオピニオンリーダーとなっていたからこそ、現在のマンガの隆盛はある。
二枚舌のように聞こえるだろうが、我々はマンガやアニメを語るのに、「たかがマンガじゃないか」と卑下しつつそのデタラメさを賞揚することもあれば、「ただのマンガではない」と、その文学性を訴えることもしてきたのだ。その二律背反から弁証法的に、「マンガはマンガであってマンガだからこそいいのだ」という言い方もできるようになってきた。
「どっちが面白いか」という単純比較だけでなく、もっと「マンガってなに?」ってとこまで踏み込んで話してほしかったなあ、と思う。それにはちょうどいいテキストだった思うだけに今回はちょっと惜しかったかなあ。
ゲストのキムさんが、「日本化された『御史』の表情では我々韓国人は感情移入できない」と語ってたのはおもしろかった。
日本人の「オイデオイデ」の手のジェスチャーが、西欧では「サヨナラ」になるごとく、これは「国によって通じる記号が違う」ということなのだが、それだけに留めておいていいことではない。ここにはまさに「文化の違い」が両国に横たわっていることの証拠があるのである。
もちろん、これは別にどっちが悪いという問題ではない。「違ってるから、そのことを前提にしないと、意志の疎通はできないんだよ」ってことをお互いに認識しなきゃならないってことなのだ。
日本人が笑っても、それが韓国人には心からのものと見えないことがあるかもしれない。それを常に考えておかないと、文化摩擦は拡大するばかりだろう。
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02月25日(月)
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