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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■どうしてくれよう。/『マジンガーバイブル 魔神全書』(永井豪とダイナミックプロ)ほか
 朝っぱらからまたもや眩暈。
 今日こそは仕事に行こうと思ったが、やっぱり挫折。
 なんだかなあ、職場に「すみません、休みます」って電話を入れるのもツライけどさあ、「どうぞ、ごゆっくり御養生下さい」って言われるのもそれはそれでツライのな。
 誰のエッセイだったかなあ、日本人と中国人とじゃ、病気の時の激励の仕方が全然逆だってことを書いてあったのを読んだことがある。
 「キミがいないと仕事が滞っちゃうよ、早く治して出てきな」というのが日本人。
 「キミがいなくても仕事はちゃんとやってるから心配しないで休んでな」ってのが中国人だとか。
 日本人は、中国人みたいな言われ方されたら「じゃあ、オレは会社にゃ必要でない存在なのか」って落ちこむってんだが、私、中国人的にしか言われたことないぞ(^_^;)。
 でも、「ゆっくり休んでください」って言われた方がコトバ自体に対しての感覚としてはラクなんだよなあ。「ツライ」と感じるのは「ああ、本当に休んで迷惑かけてるなあ、すまないなあ」と感じちゃうせいなんであって。
 でも、私のケツが私を便器から離したがらないのである。
 そんなに便座のぬくもりがほしいのか私のケツ。
 いつからTOTOと結託したのだ、ケツ野郎め。
 とゆーわけで今日もウチの便器は血で真っ赤に染まる。愛の証か。


 することがないので昼寝。
 というか、貧血状態になっちゃってるので、ひたすら寝るしかない。
 しげは芝居の練習だか買い物だかわかんないが、ものも言わずに出ていって、帰ってこない。
 夫の具合が悪くてもォ、妻は全然ほったらかしィ、何一つ看病してくれなくてもォ、それでもメシだきゃ食わしてやるのよォ、なんて健気なオレェ、オレェ♪
 ……勝手に歌作って歌ってもハラの痛みは取れやしないのだ。
 はにゃはにゃ。


 とか思ってたら、しげ、いきなり電話してくる。
 「あ、起きてる?」
 「……オマエの電話で起きたよ」
 「今からハカセ(穂希嬢のこと)、連れてくるから」
 「今からって……何?」
 「じゃ」
 「『じゃ』じゃねーだろ!」
 一方的に切られた電話の受話器を片手に、私は茫然として部屋を見渡した。
 汚い。
 そりゃ、当たり前である。
 ここんとこ、ずっと寝たきり生活だったもので、ゴミなんか全然片付けてないのだ。ええいくそ、お客さんを連れてくるなら、せめて二日前に、どうして連絡しておいてくれないのだ。今から帰ってくるなら、まだ小一時間は余裕があるとしても、とても片付けきれる状況じゃないぞ。
 だいたい、どんなに部屋が散らかっても片付け一つせずに、全て私に押しつけるってのはどういう了見だ。こっちが病気の時くらい、なんでちゃんとしてくれないんだ。オマエ人間じゃねーよ、と悪態ついたって状況は変わらない。
 こんな状態の時に客を家に呼ぶなんて、しげのアタマはどうかしてるんじゃないかと思うが、現実にヒトが来るって言われた以上は、片付けるしかない。
 とほほほほ(T.T)。
 青息吐息で、ゴミをまとめ、歩けるスペース、座れるスベースを空ける。
 ……ええい、このフンダラベッチャが! ソファの上に下着だの靴下だのほっぽり出すなとあれほど言ってるのに!
 洗い場に行って、洗濯しようと思ったら、二、三日前にしげに頼んでおいた洗濯物がやっぱり放ったらかされたままで、干されていない。結局、私が全部しなけりゃならんのだ。
 何日間履き続けてるかわからないしげのパンツと、既に異臭を放っている靴下を、洗濯機の中で生乾きになって干せなくなってるやつといっしょくたにして、ぐわらぐわらぐわらと回す回す。一回すすいだだけじゃ、とても匂いが落ちるものじゃない。二度、三度洗う。
 その間にとっ散らかってる部屋を片付けながら……眩暈を起こして倒れた。


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 以上、意識の空白でした。

 いや、ホントに落ちちゃったのよ。目覚めたらもう、心臓がバクバク。

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01月30日(水)
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