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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■遊び倒す病人夫婦。バカである。/映画『修羅雪姫』
 まだ本調子ではないが、なんとか仕事には復活。
 周りの同僚、気を使ってくださる人と使わない人と、キレイに別れる。まあ、休み明けにはよくあることだ。
 過去の日記を読み返してみると、ホントに一月に一回くらいは病気で仕事を休んでいるので、実際に職場に迷惑をかけてることはかけてるのだが、それでも若いときのように無理して仕事に行くことはしなくなった。
 なんつーか、「私がこんなに頑張ってるのに」って僻んだ目でしか病人のこと考えない人間のことを気にしたって仕方がないっしょ。

 下血はもう2週間近く続いたままだ。
 うどんや雑炊とか、消化にいいもの食っても血は出てるので、多分、どっか腸内の内壁のどこかが破れてるんだと思うが、薬を飲んで自然治癒を待つしかないんである。
 要するに安静にして寝てるしかないんですけどね。仕事してて「安静」になんかできるわきゃないってば。でももう、これ以上は休めないから、たとえ下半身が血塗れになろうと、気張って行くしかないんである。
 とか言って気張ってたら、ああ、また下血が……(´o`;)。


 迎えに来てくれたしげも、まだ体調がよくなってない。
 「今日、映画行けないっぽいよ」
 「どうして?」
 「職場の飲み会があるから」
 「行きたくないから断ったんじゃなかったの?」
 「……風邪引いてたのに、そんなこと伝える暇なかったよ」
 「じゃあ、俺一人で映画に行くしかないなあ」
 しげは無言だが、淋しそうである。
 

 しげが仕事に出かけたあと、出かけようかどうしようか迷うが、結局行くことにする。見たい映画が目白押しなもので、チャンスは逃したくないのだ。
 もっとも、できるだけしげが「おいてきぼりにされた!」と悲しんだりしないやつを選ばねばならない。
 悩んだ末にAMCキャナルシティ13で、映画『修羅雪姫』。
 これも釈由美子主演なので、しげが「私をほったらかして若い女に走った」とか文句つけられる心配がなくもないが、私はそれほど釈のファンってわけでもないので、この程度は許してもらいたい。
 小池一夫(誤字ではない。当時は「雄」ではなく「夫」を使っていた)、上村一夫の原作とは時代設定を変えて、近未来SFアクション(という触れ込み)として仕立て上げたとのことだが、それでも小池一雄テイストを充分残しての映画化だ。……良くも悪くも。

 冒頭でテロップが流れる。
 「“その国”では、500年にも及ぶ鎖国政策が今も続けられていた。世界から孤立したまま、希望も絶望もなく、静かだが淀んだ空気が“その国”を支配していた。
 隣国で古来より近衛兵としてミカドに仕えてきた建御雷(たけみかづち)家は、帝政の崩壊とともに祖国を追われて“その国”にたどり着き、反政府組織の鎮圧組織として政府に雇われたが、やがて金さえ受け取れば誰をも殺す暗殺集団と化していた」……。

 脚本家がどんな設定を思いつこうがそれは自由というものだが、どうもこの、舞台が日本なんだか朝鮮なんだか中国なんだかよく解らんというのは、なんだか中途半端に感じられて、ちょっとノリにくい。
 パラレルな設定、というよりは全く時間軸、空間軸の異なる設定としたいならば、ディテールにも拘らねばウソである。
 ともかく登場人物は日本語を喋ってるんである。
 ではここは日本なのか。
 いったい現実の日本とはどこで時間軸が分かれたのか。
 「隣国」とは日本の一部か。「タケミカズチ」ということは出雲系か。となると日本の中に出雲王国があったということなのか。ならば歴史が分かれたのは千八百年くらい昔か。
 「鎖国」してるはずなのに、銃器やテクノロジーだけは発達してるのはどうしてか。オランダ経由か? 銃の種類はよくわかんないけど、どう見たって「日本製」じゃないぞ。アメリカや中国との関係はどうなってるんだか。
 この辺の設定はあまり凝りすぎずに、単純に「近未来」にしとけばよかったんじゃないかと思う。設定を見せるのが映画じゃないんだから。だいたいこんなテロップがなくったって、映画の中には入りこめる。


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01月25日(金)
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