ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491680hit]

■風邪まで引いちゃったよ、どうすりゃいいんだ/『西洋骨董洋菓子店』1〜3巻(よしながふみ)ほか
 風邪引いて仕事を休む。
 感染経路は間違いなくしげなんだけど、全然悪びれてないのな。
 「昼一緒にいられるねえ」なんて喜んでやがるし。
 でも別に何かやれるってわけじゃなくて、ただひたすら寝てるだけだ。変に期待するなよ、病気なんだぞ病気……(ーー;)。

 午前中はただひたすら寝て汗を流す。
 ともかく丹念に薬を飲む。常備薬が結構余ってて助かった。
 昼飯は外まで出る元気がないので、仕方なくお好み焼きを宅配。そんな濃いもの、と言われそうだが、二人してダウンしてるんだから、片方が調理というわけにはいかない。うどんの配達なんて、この近くじゃやってないし。ともかく食い物は食っとかないとカラダが回復しない。
 ピザよりゃマシだろ、と思ってたら、しげは「私はピザ」とか言い出した。「バカ、やめろ」という元気もないので、そのまま頼む。まあ、お好み焼きだって五十歩百歩だしな。
 食いはしたが、やっぱりあとでゲエゲエ吐く。
 胃が受けつけてないんだなあ。体力を消耗し、再び寝る。その繰り返しだ。

 しげはしげで、仕事を早退してきてるってのに、睡眠もろくに取ってない。
 「寝つけないんだよう。だって、平日なのに、昼なのに、アンタがいるんだもの、ドキドキしちゃって」
 なんだなんだ、結婚して十年も経つってのにまだオレにときめきラブ? と思わず赤面しそうになったが、すぐに後を継いで一言。
 「誰といてもドキドキするけどね」。
 ……ただの「動悸」っつーんだよ、それは! 対人恐怖症の後遺症じゃんか。

 寝たり起きたりトイレで血便流したり、合間に本読んだりDVD見たり。寝ても寝ても寝たりないのはやっぱり糖尿が悪化してんだろうなあ。

 DVD『名探偵ポワロ/砂に書かれた三角形』。
 DVDシリーズでいくと3巻目だ。1,2巻目は未見だが、しげはもう見ているので、仕方なく途中から。まあ、順序よく見なきゃならん番組でもないけど、(シリーズ自体が原作をアトランダムにピックアップして映像化してるんだから。原作発表の順序通りに見ようと思ったら、第一作の『スタイルズ荘の怪事件』のあと、『ゴルフ場殺人事件』が発売される夏まで待たなきゃならなくなる)飛ばして見ると、どれを見たかわからなくなりそうで怖くはある。
 原題は“TRIANGLE AT RHODES”で、直訳すれば『ロードス島の三角関係』。これも原作は未読だったので、マジメに事件を推理するつもりで見る。
 冒頭、探偵事務所に誰もいなくて、マンションのパーサーと郵便配達夫が会話をしている。ヘイスティングスは猟に出かけ、ミス・レモンは実家に帰省中、ポワロは地中海のイタリア領ロードスで休暇中、という設定を聞いて、「おお、テレビシリーズなのに海外ロケ! ……金かけてやがるなあ」と日本のテレビ事情に比べて羨ましく思った。
 でも問題だったのはここからで、のんびりするはずだった休暇中、ポワロは三角関係に陥った二組の夫婦・チャントリー夫妻とゴールド夫妻と知り合う。……事件の匂いを嗅ぎ取ったポワロは、それとなく彼らに「忠告」をするのだが……。
 うーん、ミステリの都合で、これ以上はストーリーを明かせないんだよなあ。というのも、この設定でビックリしたのは、「なんだ、これって、『○○○○○○』と全く同じじゃん!」ってことだったのだ。
 もしかしてトリックも……と思ったらまさにその通り。これ、原作は中編なんだけど、クリスティーはこれを元にして長編版の『○○○○○○』を書いたらしいんだな。調べてみると、この『三角形』とその某長編は、全く同じ年、1937年に発表されている。どうやらクリスティーは、同じトリックを使って、中編と長編とでは書き方がどう変わるかを試してみたもののようだ。それとも、前作で使ったばかりのトリックをまた使うとは誰も思うまい、と、読者の意表を突くことが目的だったのか?(まさかそりゃなかろうが)
 確かに短編を長編化したものに傑作が生まれることもあるけれど、せめて探偵役は変えてほしかったよなあ。だってそうでないと、「同じ年に全く同じ犯罪を思いついたヤツがいて、それを同じ探偵が解明する」というスゲー偶然な設定になってしまうもの。

[5]続きを読む

01月23日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る