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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■どんぶりめしがいっぱい/『パワーパフガールズ<DCコミックス版>』1巻(クレイグ・マクラッケン)ほか
仕事が伸びて、迎えに来てくれたしげを1時間待たす。
「やあ、遅れた、ごめん」と謝ったのだが、言い方が多少ぶっきらぼうだったので、「威張って待たせるな!」と怒られる。
「別に威張ったりしてないよ」
「うそ。『ごめん』って言いながら、ニヤニヤしてるし」
「照れ隠しに笑ってるんだよ」
「はん、笑って許してもらおうって魂胆だね」
「……そうやって、波風立てて楽しいか?」
「ほら、そうやって責任転嫁する。自分が悪いって思ってない証拠やん」
「……今日はしつこいなあ、お前」
「シツコイって……!」
「寿司屋に行くか?」
「うん行く!」
ちょろいもんである。
けれどふと見ると、寿司を食うにはサイフの中身がやや心許ない。
さりげなく「それともほか弁がいいかな?」と言ったら、「そっちのほうがいい!」としげ、乗る。
しげはその日その日で食いものの好みが変わる。
「しばらくほか弁を食べてない」
「しばらくカップ麺を食べてない」
そういう、ちょっとした間を狙って誘うと、ホイホイと乗って来るのだ。
安上がりですんで助かるなあ。
それにしても、食いものだけでマインドコントロールができる妻ってのもラクなんだか情けないんだか。
しげ、リンガーハットから余ったメシをもらってくる。
しげはたまにそういうことをしてくれる。これまでにもバイト先を転々としているしげであるが、それが全て食いもの屋であるのは明らかにソレを狙っているからであろう。
米を炊く必要がなくて助かりはするのだが、今日は量が異様に多かった。
どんぶりに二杯、更に握ったメシも十数個。
「なんだよ、この量は」
「だって余ったんだもん」
ドンブリでも一杯くらいならなあ、特に問題はないんだが、これだけあると一日では食べきれない。かと言って二日も三日も持たせてたら冷蔵庫に入れてたって、悪くなる。
「……今から食うしかないか」
しかし、オカズになるものが、ちょうどレトルトカレーしかなかった。
……ハラ、壊してるのにカレーかよ。
明日のトイレが楽しみである。
マンガ、竹本泉・中山星香・和田慎二・樹村みのり他『ねこミックス』1巻(宙出版・730円)。
ネコのマンガだけを集めたアンソロジーって体裁だけど、要するに竹本さんに『ねこめ〜わく』の新作を描かせるために雑誌を立ち上げたわけだな。
元ネタがアンダースン&ディクスンの『ホーカ』シリーズであることは明言している竹本さんだけれど、それがネコと美少女ってのがやっぱりいいよな(何度も書いてるがどうして竹本作品がアニメ化されないのか)。
ただ、こういう同一テーマのアンソロジー、必ずしも傑作が揃わないというのも事実である。
他作品との差別化を謀ろうと無理をしてヘンな作品が並ぶか、はたまた似たような作品が並んでしまって、印象が相殺されるかのどちらかだったりするが、さて、これは後者のように思う。
一作一作を読んでみるとおもしろくはあるんだけれど、続けて読むと「またネコかい」。ほんとに猫好きにしか楽しくないって作品集になっちゃってるんだよなあ。
気になるのは、竹本さんの『ねこめ〜わく』のサブタイトルが『……そろそろ』であることだ。
これは「そろそろ歩く」ということなのか「そろそろ終わり」ということなのか。ずいぶん長く続いてきた作品だから確かに終わってもおかしくないんだけど。
百合子ももうオトナになったしなあ。
ネタも尽きて来たのか今回のカメラネタ、そんなにおもしろくなかったしなあ。
でも竹本作品のベスト3と私が勝手に思ってる作品なんで(あとは『アップルパラダイス』と『さよりなパラレル』)、もちっとだけ続いてほしいんである。
あと、読んで気に入ったのは、樹村みのりの『おかあさんがいない』。母猫の死を、物心ついたばかりの子猫の視点で描く。物語の起伏はないが、そこが無理をしてない淡々とした筆致なので、すんなり読める。
坂田靖子の『猫ぼん』は続きものか?
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01月16日(水)
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