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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■鶏は卵を音を立てて生む/『獣星記ギルステイン』2巻(酒井直幸・田巻久雄)
物まねの江戸家猫八さんが10日、心不全のため死去。享年80歳。
なんかまた訃報が続いているなあ。
代表作のように言われている『お笑い三人組』はうろ覚えの記憶しかないから、やっぱり印象に残ってるのは映画『お葬式』の不気味な葬儀屋だったりする。
いや、もちろんものまね芸はちょくちょく演芸番組で見てはいたが、ドラマの中でその芸を披露することは少なかったから、若い人の中には猫八さんの芸を見たことないって人もいるんじゃないかなあ。
今のテレビのバラエティがほとんどクソになり果ててるのは、こういう方々の芸の面白さを紹介する時間を設けてないってとこにも原因があることは確かだ。それに対して憤りを覚えてる一般視聴者がいてもおかしくないと思うんだけど、そんな意見がテレビ雑誌なんかの読者コーナーに載ったりすることもないよねえ。ホンモノの芸が見たいって思ってる人なんて、もういなくなっちゃったってことなのかな。
今度の紅白にはドリフが出る。
ドリフだって、私たちの世代に言わせればクレージーキャッツの足元にも及ばないんだけど(なのになぜかしげも同意見だが)、それでも今『ドリフ大爆笑』の再放送なんか見ると、みのもんたが出るバラエティもどきに比べりゃはるかに面白いんだものなあ。
猫八さんの芸はもう忘れられていたと思う。
ご本人がドラマの中でその芸を見せることを避けておられたようだが(それは訳者に徹するという清廉な態度ではあったろうが)、演出家にもっと頭があれば、ごく自然な形で猫八さんの芸を披露する脚本、演出も書けたのではないか。
実は私は監督としての伊丹十三をあまり評価してないんだけれど、それは毎回「喜劇」を作っていながら、あの人が俳優に要求していたのは、「演技」であって「芸」ではなかったからだ。
何が言いたいかっていうとさ、つまり、あれだけの役者揃えていながら、『お葬式』は「マルクス兄弟の喜劇」にはなりえていなかったってことなのね。一人一人の演技に「芸」というか「花」がないわけ。猫八さんの使い方もそうだが、菅井きんにあんなフツーの長ゼリフ喋らせてどうする。伊丹映画、どれも詰めのところで工夫がないのだ。
……なんか猫八さんを悼む文章になってないね。すみません。
付け足しみたいだけど、鶏が卵を「ぽこ」って音を立てて生むという表現を世間に知らしめた(もちろんウソだけど)猫八さんの業績を最後に褒め称えておこう。……だって、ネット見ても、モノマネの芸自体に触れた追悼文が見あたらないんだもん。
ここんとこ、またワイドショーあたりでは話題らしい田代まさしの逮捕。
ただのノゾキかと思ったら、覚醒剤も押収されたとか。
勝手な憶測だけれども、前回の盗撮事件より前からクスリはやってたんじゃないかなあ。まともな神経持ってたら、謝罪しなきゃなんないときに、「ミニにタコができる」なんてギャグ、飛ばすわけないもんなあ。
ニュースはどこも「復帰はもう絶望」発言を繰り返してるが、そう言いつつ復帰した芸能人、腐るほどいると思うがな。いや、復帰がいけないと言いたいわけじゃないのよ。マスコミはホンネでは別に田代まさしがどうなろうと気になんかしちゃいないんだよね。ニュースになるから報道してるだけでさ。そのくせ、言ってることは妙に正義派ぶってて、キャスターたちが「復帰させるべきではない」みたいな態度を暗に匂わせてるのがどうにも気に入らないのよ。
田代まさし本人については悪い印象は持っちゃいない。芸なしだけど(^_^;)。
あの田代さんのノリってのは、言っちゃ悪いけど、クラスなんかでちょっと面白いやつがいて、結構みんなにウケてるんで、調子に乗ってシロウト参加ショーに出たら、またこれが結構ウケたっていう程度のレベルなんだよねえ。
そこが昔から痛々しくて、だからこそ嫌いにはなれなかったんだけど、もう十年昔だったら、シャネルズとしてはともかくも、コメディアンとしてはまずデビューできてない。もともとゼロだったんだって思い切れれば、更生することだって可能だと思うけど、芸能界の甘い汁吸っちゃってる人間で第2の人生送れたって人、そうそういない(吸い損なった人ならまだ戻れるんだけどね)。
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12月12日(水)
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