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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夢の宮崎で盆踊り/『伊賀の影丸/邪鬼秘帖の巻(下)』(横山光輝)ほか
 朝、いつものようにしげに車で送ってもらおうと思って、寝ているしげを起こそうと声をかける。
 「おい、行くぞ」
 しげ、細目をあけて泣きそうな顔になって言う。
 「……ダメ、ムリ」
 その表情が真剣だったので、私も何かあったのかと不安になる。
 「何? 具合が悪いか?」
 「……宮崎なんて行けん」
 「……はあ?」
 「あんた今日、宮崎まで出張やろ? 道わからんし、行ききらんよ」
 ……息を整え、しげを小突いてヒトコト。
 「夢と現実、ごっちゃにすなっ!」

 時々この日記にも書いてることだが、しげはしょっちゅう夢であったことを現実と錯覚するクセがあるのである。寝起きの時はもちろんだが、ヒドイときになると起きてパッチリ目が覚めてるときでも、「アンタ、私を苛めたね?」とか、身に覚えのないことを言ってくる。
 私自身も記憶力には自信がないほうなので、あまりしょっちゅう言われると、ホントにそんなことしたかなあ、という気になることだってあるんで迷惑なんである。
 ……しげの妄想の中じゃ、プロポーズしたのも私からってことになってるしなあ。
 月の下、二階の窓辺のしげに向かって、私が下の道から愛を囁いたって言うんだが、そりゃ『ロミオとジュリエット』のシチュエーションそのまんまやないけっ! 実際はしげの方からコクられてんだけど、それ認めちゃうとしげの心の中では私に対して「負け」を認めたことになるらしいんだな。
 なんでやねんって(-_-;)。
 10年先には真実はしげの負けず嫌いの妄想の前に覆い隠されてしまうのかもしれない。

 ああ、なんで「宮崎」かってのも見当がつくぞ。
 多分、「シーガイアに行きたいなあ」くらい考えてたんだろうなあ、それ以外に「宮崎」の風物なんかしげは知らんだろうし。

 
 またぞろなんだかカラダがだるくなってくる。
 昨日の日記に、「1時間早く帰った」と書いたが、早く帰ったのは今日だった。昨日は一応頑張って就業時間ギリギリまでいたのだ。
 いや、更新が遅れているせいで、一週間前の日記を今(12/17)書いてるもんでよ、記憶も大分混乱してるんだよ。
 読んでる人には「昨日だろうが今日だろうが、テメーの行動なんか、いちいち気にしてなんかいね〜よ」と突っ込まれそうだが、多少の脚色や演出はあれど、ベースとなる事実は抑えときたいのである。それがいわゆる“虚実皮膜”ってやつなんで。

 で、しげに「どっか手っ取り早く栄養補給できるところに連れてってくれー」と頼みこんで、またゼイタクにも「すし大臣」に寿司を食いにいく。
 これでまた数ヶ月は寿司はガマンしよう。
 食い納めのつもりで食うので、前回は食わなかったウニも食う。
 ここのウニは美味い。
 そらもう、そんじょそこらのスーパーで売ってるようなアルコール漬けのウニとは比べものにならんほど美味い。
 けれど高い。
 そらもう、そんじょそこらの寿司屋のウニと比べても、なんでこんなにと言いたくなるくらい高い。二カンで850円だぜ、オイ。
 「新鮮さを保つため、少なめに回しております」ということなので、回転してくるのはカンピョウ巻とかそんなんばっか。
 それで回転寿司と言えるのか、と言われそうだが、もともとこういうネタ勝負の店は回転式にしたくはなかったんじゃないかと思うんである。けれど、実際、イマドキの若いもんの中には、職人さんの「へい、らっしゃいっ!」て掛け声が怖くて寿司屋に入れんというような(しげだ)アホンダラも増殖してるんで仕方なくそうしてるんじゃなかろうか。
 というわけで、ウニは頼まねば来ない。
 ウナギもトロも、サーモントロも流れて来ない。
 全部500円以上だ。
 でもカラダがダルいとその分なんか思いきり散財したい気分になるんで、思いきって注文する。
 ついでに新発売というカニ汁も。
 美味い。どれも死ぬほど美味いーいいいっ!
 けれど財布は思いっきり軽くなっちゃったのであった。

 しげはいいよなあ。
 タマゴサラダ一つで満足出来るんだから。
 「高いの食わなきゃ量を食えるのに」
 って、だから寿司ってのは質より量なんだよっ!



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12月11日(火)
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