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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■泣くなしげっちゅ/『眠狂四郎』1巻(柴田錬三郎・柳川喜弘)ほか
 オタアミ当日まであと35日! 35日しかないのだ!

 ようやく土曜日、仕事をさっさと片付けて病院に行く。
 熱は一晩寝たおかげで引いた。
 「注射はいいですね」と言われたので薬だけもらう。
 ついでに糖尿病食のレトルトパックを買いこむ。これ、いちいち計りメシしなくていいのだけれど、一食が1000円とバカ高い。半額なら、1ヶ月分買っても3万円、料理の手間が全くなくなって助かるのだが。

 帰宅すると、しげがいない。
 しかも玄関に鍵が掛かっている。
 そういや今日はしげは自動車学校の卒検だったんだなあ。って、まだ鍵なくしたまま見つけてないんだぞ!? これじゃ部屋に入れないじゃないの!?
 慌てて携帯でしげに連絡を入れる。
 「オイ、玄関に鍵掛かってるじゃないかよ!」
 「あ、鍵持ってないん?」
 「持ってないって言ったろ!」
 もともと鍵をどこかに置き忘れた私が悪いのではあるけれど、私が鍵を持ってないことをキレイサッパリ忘れたしげも、思いやりのカケラすらない。
 「でも、3時くらいまで帰れないよ?」
 「……じゃあ、天神回って買い物してくるから、博多駅あたりで待ち合わせしよう」
 本当は具合が悪いままなので、さっさと寝ていたかったのだが、家に入れないのでは居場所がない。そのまま、レトルトパックの袋を抱えたまま、バスと地下鉄を乗り継いで天神に向かう。

 いつものごとく、天神ベスト電器「LIMB」でDVDを買いこむ。
 ついでに、「オタクアミーゴス」の公演チラシ、置いてくれるかどうか、売り子さんに尋ねてみる。
 「あの、アニメコーナーに、チラシを置いて頂けますか?」
 「あ、はい。わかりました」
 「……あの、現物見なくていいんですか?」
 「あ、そうですね」
 「……これなんですけど」
 「じゃあ、お預かりします」
 「……あの、店長さんとかに許可いただかなくていいんですか?」
 「あ、そうですね」
 と、店員さん、どこぞに電話するが、つながらない様子。
 「ま、いいんじゃないですか。お預かりしますよ」
 「は、はあ、そうですか、ありがとうございました」
 なんだかえらくアバウトである。でも置いてもらえるというのをいい、と遠慮するのもヘンなので、20枚ほどお渡しする。
 まあ、毎月の面識のある方々だし、月々ン万円は落としていく客であるし、私の本職も知ってるしで、信用があるのであろう。実際、信用だけはとりあえずある職種なのである。
 さて、チラシの効果がこの「LIMB」でどの程度上がるか、実はよく分らない。
 確かにここのアニメコーナーは福岡の店の中では充実している方だ(っつーか、他がシャバ過ぎ)。「アニマップ」なきあと、いかにも濃そうなオタクな方々が寄ってる様子はある。『大巨獣ガッパ』ボックスや『宇宙大怪獣ギララ』ボックスまでよく売れてたみたいだし。
 でも、それだけのオタクなら、福家書店にもきっと寄ってる人ばっかりなのに違いないんだよな。
 どっちかと言うと、ここの店員さんに来てもらいたいくらいなんだが、どうせオタアミ当日は連休中だし、仕事だろう。けどもう、他にオタアミに興味持ちそうなオタクが寄りそうなところって、各種マンガ喫茶やインターネットカフェくらいしか思いつかないしなあ。でもそういうところって、チラシ置かせてくれなさそうな気配が濃厚。
 残り1ヶ月を切ろうかという時点では、これが私にはもう精一杯である。
 ……ああ、本職のコネ使えたら、あいつもこいつも呼べるのになあ。
 
 福家書店で新刊を買いこむ。
 ここもオタアミのチラシ、しこたま置いているのだが、なんだか枚数置き過ぎてるせいもあるのか、減ってる気配がまるでない。
 しかも、置き方がまずいのか、へにょっとしおれて、何のチラシかも解らない。一所懸命立ててみたが、やっぱりへにゃっとなる。
 ……なんだか縁起が悪いぞ。置き場所変えた方がよかないかなあ。

 天神から博多駅に向かおうってところでもしげから電話。
 声の調子がえらく暗い。
 「……ごめん、ちょっと帰りが遅れる。いったん、ウチに帰って鍵、開けとくからすぐ帰っていいよ」

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10月20日(土)
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