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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■一人で見る映画/映画『千と千尋の神隠し』
連休に入ると、つい時間感覚がなくなる。
夕べも「明日は早起きしなくていいんだ」と思ってつい夜更かし。
で、楽しみの連休中も結局は寝不足のまま過ごすことになっちゃうのだ。
朝方、しげはどうやら私を起こそうとしたらしい。
らしいと言うのはもう記憶が曖昧だからなのだね。
「映画行こうよう。朝だよう」
「……朝って何時」
「7時」
「……映画館も空いてないやん、昼からでいいよう」
そう言って、また眠りに入り、目覚めたらもう昼過ぎ。
今度はしげの方が眠っている。
「……どうした? 映画行くんじゃなかったのか?」
「朝しか行きたくないよう。昼からはイヤだよう」
どういう理屈だ。
しげは、これまで、朝早くから映画に行ったことなんて殆どない。
私にしてみれば、朝方に出かけて、昼過ぎに食事と買い物をして帰宅、というのが休日の過ごし方としてはベストだと思っているのだが、たいてい朝はしげの方が寝ていて起こしても起きないのである。
今日だって、てっきり朝はしげがグズると思って、昼から出かけるつもりでいたのだ。でなきゃ夕べDVD見て半徹夜、なんてことはしない。
ともかくいやがる奴を無理に引っ張ってたってしかたがない。しげのきまぐれとスケジュールに合わせていては、とても映画に行く時間など作れない。
何しろいつ「今度の○曜、からだ空いてる?」と聞いても「わからない」とか「なんでアンタに教えないかんの?」としか答えないのだ。自分のスケジュールは教えたがらないくせに、こちらの都合ばかり聞きたがると言うのは見当違いじゃないか、と何度言っても改めない。
性格が歪んでいるのである。
品性が下劣なのである。
根性曲がりと映画に行っても楽しくないぞ。わかってんのか。
というわけで、映画には一人で出かけようと決心するが、それでもすぐには出かけない。
しげの気持ちが変わって、「やっぱり行く」とか言い出しかねないので、ちょっとは待ってやるのである。
……なんでこんなアホウに気を使ってやらにゃならんかな。
テレビ「ザ・ワイド」でショー・コスギのサクセスストーリーみたいなことをやっている。
こういうのって、サクセスしてる時には既にもうオチメってことも多かったりするので、失笑ものだったりすることも多いのだが、「アメリカで今も活躍」とか言ってる割に流される映像はかつての「ニンジャ」シリーズばっかりだ。
「日本人として初めてミフネもなしえなかった100万ドルスターになった」って言ったって、三船敏郎がハリウッド映画に出ていた頃とは、物価が違うってえのに、どうしてそう単純比較するかね。
今、ショー・コスギがなんの映画に出てると言うのだ?
しかも、「自分がかつて、単身、日本を出てハリウッドに来たように、息子のケインにもアメリカを出て日本で修業させている」って、アメリカじゃ仕事がなかったってことじゃないのか。
日本でだって、ケイン・コスギ、ここしばらくは、『筋肉番付』で「サスケ」に挑戦する姿しか、私ゃ見たことないぞ。
アクション俳優としてのショー・コスギを貶めるつもりはないが、ハリウッドで成功して金持ちになるのがステイタス、なんて勘違いを標榜されちゃ困るのである。
一生貧乏でも、主役を張ることはなくったって、映画界になくてはならないって俳優はいくらだっているんだから。
結局しげは自分の睡眠を優先しているので、一人で映画に行くことにする。
途中、キャナルシティの福家書店で本を買いこむ。
多分、長いこと並ばねばならないと思ったので、待ち時間を過ごすために本を買ったのだ。
……はい、そうです。初日に行っちゃいました。
『千と千尋の神隠し』。
ちょうど昼のニュースで、宮崎駿監督の舞台挨拶の様子が紹介されていた。
「ラストの絵は私自身が描きまして、アレは水の中を靴が流れてる絵です。スタッフからは『全然分らない』って言われてますけど、あれは水なんです」とのコメント。
なんのことやらわからなかったが、映画を見てみて納得。確かによく見ないとなんの絵か解らない。
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07月20日(金)
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