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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■東京ドドンパ娘/葛飾柴又寅さん記念館
東京旅行最終日。で、子供の日兼端午の節句。
昨日、博品館では鯉に乗ったミッキーマウスだの、金太郎の格好をしたスヌーピーなんかを売っていたが、これ、案外海外のコレクターにとっては貴重なアイテムになるかも。
今日もピーカン。でも東京は福岡ほど暑くない。年間平均温度では、確か一、二度だけ福岡の方が高かったはずだ。東京は今が一番しのぎやすいころかも知れない。
……いい気候だというのに、寝冷えしたせいか、朝っぱらからしげが「気分が悪い」と言い出す。
夕べも布団を蹴飛ばして寝ていたので何度も掛けてやったのだが、結局ムダだったようだ。
自宅にいてさえセルフコントロールが下手糞で、病気になっても「退屈だよう」と駄々をこねてうろつきまわり、かえって病状を悪化させることが多いのだが、まさか旅行中に具合を悪くするとはなあ。ホントにペース配分ができないやつだ。
「たっぷり8時間寝てるのにどうしてダルイんだよう」と嘆いているが、ヘソ出したままそれだけ寝てりゃ、具合も悪くなろうってもんだ。今更、途中で旅行を中止するってわけにはいかないので、無視する。
今朝もやっぱりこうたろう君は朝食を用意してくれている。
今更断ることもできず、開き直ってタカリ魔になった我々夫婦は、出されたパンにぱくぱく食らいつく。
ああ、チーズパンが美味い(*^。^*)。
こ、このままでは済まさないからな、福岡に着たときには逆に山積のパンで迎えてやるぞ。
ふと、目の前の空中を不思議な物体がス〜ッと通りすぎて驚く。
「とっとこハム太郎」のヘリウム風船だ。
「昨日プレゼントにもらったやつだよ。重りでちょうど空中に浮くようになってるんだ」とこうたろう君が説明。
そう言えば娘さん(こうたろう君が「キノコ」でいいよと言うので、今度からそう書きます)は「ハム太郎」の大ファンだった。
ヨタロー君がすぐぽんぽんと叩くので、こうたろう君が「そういうのイジメだから止めなさい」とたしなめている。
この手の風船は当然私の子供のころにはなかった。今更このトシになってほしがるわけにもいかないので私も買うことはないが、案外こうたろう君本人が喜んでるのではないか。
しげもなかなか気の利いたものを買うものである。
今日で旅行は終わりなので、余り遠出はせず、こうたろう君の家の近所の名所を回ることにする。
で、それがどの辺かって言うとね、なんと寅さんと両さんで有名なあのあたりなわけですよ。
私だって、大学時代は東京に住んでいたのだが(しかもあの狂乱の80年代に!)、大学と神保町の古本屋街以外にはほとんど出歩かないという実にもったいない生活をしていた。
おかげで実は柴又帝釈天に行くのも今日が初めてなのであった。ああ、恥ずかしい。
驚いたことに帝釈天は実に狭い。参道も狭いが、境内も狭い。なんだかだだっ広い気がしていたのはやはり映画のマジックか。
「神社じゃねえんだからお参りってのは変なんだけどな」とこうたろう君。
「神仏習合じゃねえのか? 七福神祭ってるし」と私。
こ承知の通り、七福神は神道仏教の神様仏様の雑煮状態である。建物の造りがいかにもタクミのワザ風で、よく見ると柱の飾りが狛犬に獏。規模は小さくとも、いや、逆に小さいからこそ、造形的にはノートルダム寺院のガーゴイルにも負けてないのではないか。
帝釈天を抜けて矢切の渡しへ。
細川たかしのイメージはカケラもない(当たり前だ)、実に田舎びた渡し舟。
草の生えた普通の川岸に、申し訳程度にひょろりとつき出している細い板の上を渡り、無造作に差してある澪標の間を抜けて、10人乗れば満杯の舟に乗り込む。
乗客が多いときにはさっさとモーターで行くという話だが、今日は朝も早く、船頭さんはゆっくりと櫓で漕いでいく。
こうたろう君、「鬼平の世界だねえ」と呟く。
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05月05日(土)
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