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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■イシャはどこだ!/映画『黒蜥蜴』(1962年・大映)ほか
朝になったら少しは具合もよくなってるかと思ったが、相変わらず眩暈が激しい。
寝汗はかいているが熱はないし、頭痛もしないので、風邪ではなさそうだ。
要するに自律神経失調症の類かと思って、ともかくも医者に行く。
診断は一言、「風邪ですね」。
眩暈と立ちくらみと吐き気と寒気しかしないのに?
「寝汗をかいてるってことは熱が出てるってことなんですよ」
ともかく医者にそう言われた以上は納得するしかない。栄養剤の注射をしてもらい、薬をもらう。心なしか、注射のおかげで気分が回復したような。
病院の待合に、大塚製薬発行の『OTSUKA漫画ヘルシ−文庫』というのがあったので、何気なく手にとってみると、この作者のラインナップが凄い。
ほんの小さな冊子なのに、横山隆一・前川しんすけ・二階堂正宏・浜田貫太郎・秋竜山・小山賢太郎・赤塚不二夫・あべさより・石ノ森章太郎・ヒサクニヒコと言った、錚々たる面々がズラリと並んでいるのである。でもなんだかいかにも大家の手遊びと言った感が強く、ほとんどマンガ的に面白いと言うほどのものではなかった。
唯一笑えたのが二階堂正宏の『生命の誕生』。だいたい、健康シリーズでなんで「生命の誕生」か、という気がするのだが、その生命の誕生を探るために、ビッグバン直後の宇宙へ「どこでも四畳半」で飛んで行く、というのが無茶苦茶だ。で、主人公の男の子の名前が「無茶雄」。……確信犯だな、こりゃ。
ほかにも『ぞうのはなはなぜながい』という絵本があって、この絵を『コロポックル物語』シリーズの村上勉が描いている。何気なく手に取ってみると、これが表紙には書いてなかったが、あの『ジャングルブック』のラドヤード・キプリング原作の童話であることに気付き驚いた。
さらにはその中に『クジラはなぜクジラになったか』という話が収録されていて、これの原作者が『アイアン・ジャイアント』のテッド・ヒューズ。
うひゃあ、なんだかさりげないところでとんでもないものを見つけてしまったぞ。ストーリーも結構ぶっ飛んでいて、クジラはもともと神様の畑に生えていた野菜だったそうである。あまりにでかいその野菜のせいで、ほかの野菜を育てられなくなってホトホト困り果てた神様、仕方なく動物たちにクジラを運んでもらって海に捨てた。クジラは塩を吹いてなんとか小さくなり、もう一度畑に戻りたいと今も塩を吹いているのです、というもの。
……オチは『李さん一家』か『ヨダカの星』か。なんにせよなかなかの珍品である。
出版社等が判れば、と、あとでネットを検索してみたが、この本に全くヒットしない。……もしかして、結構な希覯本? もういっぺん病気になって(おいおい)、医者に行ってタイトルと出版社、確かめてこようかなあ。
仕事は今日から少し楽になる。
明日一日働けば三連休だし、ちったあ養生できようというもの。
何人かの同僚から「大丈夫でしたか?」と心配されるが、去年はこんなふうに気遣ってもらったことって、なかったなあ。この程度のことなのに、なんだか妙にうれしくなってしまう。
カラダはツライが、こうなると俄然働かねばなあ、という気になる。やっぱり去年の上司は人を使う術を知らぬやつだったのだとつくづく思うな。
帰宅してLD『黒蜥蜴』を見る。
個人ホームページを立ち上げるために、資料として以前買っていたのをやっと全編通して鑑賞。
珍品と聞いてはいたが、確かに凄い。エアチェックした『黒蜥蜴』、ウチには美輪明宏、小川真由美、岩下志麻版がそれぞれあるのだが、「踊る」黒蜥蜴ってのはこの京マチ子版だけだろう。
誰だ、『黒蜥蜴』をミュージカルにしちまおう、なんて考えたのは(^_^;)。
監督の井上梅次、言わずと知れた『嵐を呼ぶ男』の監督さんで、和製ミュージカルならお手の物であろうが、どうも違う気がする。思うに、こんな素っ頓狂な発想は、脚色の三島由紀夫以外にないのではないか。なにしろ、自分の戯曲にはもともと無かったミュージカル用の作詞まで手がけているのである。
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04月26日(木)
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