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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■優しい夫ごっこ/『真・無責任艦長タイラー2 奮闘編』(吉岡平)ほか
夢の中で女房の白髪を抜いている。
昨日全部抜き尽くしたはずなのに、なぜかまた固まって天頂から生えているのだ。しかもさっきまで黒々としていたはずのところまで、私が掻き分けると白髪が五、六本、固まって見つかる。
もしかしたら私が掻き分けるから増えるのか? このまま女房がどんどん白髪女になったらどうしよう……と考えていたところで目が覚めた。
あまり波瀾万丈な夢を見るほうではないのだが、それにしても小市民的な夢ばかり見るものだなあ。
でも女房はしょっちゅう「私のこと夢に見ないの?」と文句をつけていたので、きっとヨロコブことであろう。……天頂しか見えなかったが。
芥川龍之介『河童』『桃太郎』、再読。
……のはずなんだが内容まるっきり忘れてるな。『河童』の構成、昔から東宝特撮怪奇映画『マタンゴ』とよく似てると思ってたんだが、あまり誰も指摘してないな。精神病院の患者の語る話、ってパターン、いかにも多そうだもんなあ。もっと昔に、外国の怪談小説あたりで元祖的なものがあるのかもしれない。
エドガー・アラン・ポーにそんなのあったような気がしたけど忘れた。『メエル・シュトレエム』だったっけか?
『桃太郎』は太宰治の『御伽草子』よりよっぽどキレのいい現代批評になっている。何の罪もない鬼を、自分が「桃太郎である」という理由のみで殺戮した男の末裔は、現代にもまた……。あっ、これって怪談。
こないだ読んだ『妖怪馬鹿』でも語られてたが、芥川は大正期の「隠れ妖怪オタク」だったのである。新現実主義なんて名称、誰が考えたか知らんが、芥川を括る言葉としてははなはだ不適切だと思うんだがなあ。
『剪燈新話』、再読。
『怪談牡丹燈籠』のもとネタが載ってる本だが、はっきり言って原話はつまらない。書いてあるのはただのできごとだけで、行間に漂うムードってものがないのだな。女幽霊に取り殺された男もまた幽霊になって祟るけど、高名な道士に捉まえられるって、『霊幻道士』じゃん。
『棠陰比事』、再読。
昨日、大岡政談を読んでいて、多分この辺にもとネタがあるんじゃないかと調べたら、別の死体の首を切って、自分たちの服を着せて、あたかも殺されたのが自分たちのように見せかけるトリックや、死体に偶然ぶつかった男が服に血が付いたために犯人と間違えられる話など、『越後伝吉』のエピソードがいくつも見つかる。
『棠陰比事』自体は実録ものらしいので、リアリティがあるといえばあるんだろうけど。「左利きのやつが犯人」ネタもこんな昔からあったのか(^o^)。
夕べ、固くなりかけたお釜の残りご飯を使って、チキンライスを作った。玉葱を買い忘れていたので、チキンとグリンピースしか混ぜてないが、結構美味しくできた。茶碗5杯分は作っていたので、一杯分ほど食べて、あとは残しておいたのだが、朝になったら量が減っていた。
ちゃんとフタをしておいたので、ゴキブリやネズミの仕業ではない。
もっと大きなドーブツである。
ドーブツが「鍋の中の、もらったよ。いい?」と喋ったので、ドーブツのクセに口をきくとは生意気なと思いつつ、
「い〜よ。おまえのために用意したんだから」と言ったら、口をモゴモゴさせていた。
どうもまだ食い足りないらしいな、このドーブツは。
グリンピースとチキンはまだ残っているので、この次はもっと美味しく作ってやろう。ペットを飼うのもなかなか大変である。
吉岡平『真・無責任艦長タイラー2 奮闘編』読む。
アニメ版や数々の外伝を経て再開された本シリーズ、結末は知ってるわけだし案外つまんないかと思っていたら、1巻2巻と脇キャラは増えてるわ、展開はシリアスだわ、斜め読みするつもりが結構はまってしまった。
元シリーズは都筑和彦のほんわかした絵柄にやたら挿入される無責任ソングの効果もあって、スチャラカ小説の性格が強かったが、新シリーズは堂々たるドラマである。それどころか、元シリーズを今読み返すと、小説というよりただの設定の羅列、といった感じに見えてしまう。それくらい、キャラクターの描写はおろか、ドラマの盛り上げ方も格段にうまくなっているのだ。
作家というのは成長するものなのだなあ。
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03月06日(火)
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