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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■それはそれなんだってば/『プラネットガーディアン』1〜3巻(高坂りと)/『サトラレ』4巻(佐藤マコト)
凶悪な宇宙犯罪者たち「アルゴル」が宇宙監獄を脱走し、地球に向かったのを知った監視者の「メルカバー」のピロスケは、ごく普通の小学生の女の子、如月古雪(きさらぎこゆき)に、地球を守るための「ガーディアン」の力を与える。ところがピロスケのとんだ手違いで、「アルゴル」がやってきたのは5年後だった。受験勉強に忙しい古雪は、魔法少女になる夢など、とっくの昔に捨てている。けれど魔女っ子オタクの兄・樹(いつき)にむりやり引きずりまわされ、アルゴルとの戦いに駆り出される毎日。第2のガーディアン、ヒロインぶりっこの早乙女リリカ(本名・山田良子)や、邪悪な意志に捉えられダーク化した第3のガーディアン、桐島雫(きりしましずく)たちと、ひと騒動を繰り広げながらもなんとかアルゴルたちを撃退していくが……。
異星人の襲来が時期遅れだった、という設定がややおもしろいものの、キャラクター設定も展開もまあ、どこかで見たような、という印象が強い。もっとも、魔女っ子モノなんだから、ヘンに捻った設定されても逆につまんなくなりかねないうとは言える。でも、いい加減こういうのは見飽きちゃいるので、ちょっとくらいは意外性がほしいところである。
マンガ、佐藤マコト『サトラレ』4巻(講談社/イブニングKC・540円)。
今まで指摘し忘れてたような気もするが、この作品は「SF」である。
考えてみたら「サトラレ」=「口に出さずとも、自分の考えが周囲の人に『悟られ』てしまう不思議な能力の持ち主」なんてのは現実には存在しないんだから、「もしもそういう人たちがいたら、この世界はどのような変容を見せるだろうか?」という発想で構築された世界観は、立派なSF設定なんである。
けどそれも4巻まで続くと、随分「ほころび」が生まれてきてしまっている。
サトラレである西山幸夫と結婚した小松洋子、二人の間には光という女の子が生まれるが、その子もまたサトラレであった。お互いの思念波で相手がサトラレだと伝え合ってはならないと、普段は父親を単身赴任させて二人が会える機会を制限し、再会するときにだけ、親には子の、子には親の、普通の人間の身代わりを立てることにする。
……ムリだよ(^_^;)。親子ってそんなに簡単に騙せるものだろうかって疑問がまずあるけれども、仮に騙せたとして、その子が成長したときに、「二人のお父さん」がいることを納得させられるとは思えない。これから先、5巻、6巻と続けていくなら、作者の佐藤さん、そのあたりの不自然さをどうクリアしていくつもりだろうか。
好きになった女の子とも、自分の汚い心を見られるくらいなら会いたくない、と島暮らしを続ける木村浩くんのパターンの方がリアルだけれども、でもこの場合、浩くんは隠棲したっきりになっちゃうから、新たな展開って生まれそうにないんだよなあ。こちらもこれから先、どうドラマにしていくつもりなんだろう。
07月15日(火)
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