ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491706hit]

■閃光の意味は/アニメ『明日のナージャ』第1回/『グーグーだって猫である』2巻(大島弓子)
 大島さんの猫マンガを『綿の国星』の繋がりで読んでいた読者は結構いるんじゃないかと思うが、最近の大島さんは猫を人間の姿では描かない。サバが最後の人間型猫だったんじゃないかと思うが、今巻に登場するタマもやはり普通の猫である。
 私はマンガの中の猫や犬にはほとんど感情移入をしないので、猫がどんなにかわいいかを描かれても「それって作者のマスターベーションでしょ?」としか思わない。猫を猫以外のものに描くことも実は自慰行為なのだが、ある意味作者がそこまでイッちゃってれば、読者はもう両手をあげてそのファンタジーを受け入れるしかない。サバを「モノホンは猫なんだよな」と思いながら見ていた読者がいたろうか?
 いや、相変わらず大島さんのエッセイマンガは面白いのだ。大島さんのガン治療の話ですら、ユーモラスで深刻さのカケラもなく面白い。
 けれど、やはり何かが違う。
 猫が人間の姿で描かれていたことには、「そうとしか描けない」切実さがあった。単に気を衒っただけとは誰も受け取らなかったからこそ、『綿の国星』は、『サヴァビアン』は支持されたのだ。
 大島さんにとって、猫はただの猫になってしまったのだろうか。

02月02日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る